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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(理学)
  4. 2018年度

3次元位置検出顕微鏡と光ピンセットを用いた外力下での単離マウス気管繊毛先端の軌跡の解析

http://hdl.handle.net/10959/00004715
http://hdl.handle.net/10959/00004715
f09ea07b-225b-4b85-8883-61b7e7584121
名前 / ファイル ライセンス アクション
abstract_K278.pdf abstract_K278.pdf (438.7 kB)
ref_abstract_K278.pdf ref_abstract_K278.pdf (235.8 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2020-02-17
タイトル
タイトル 3次元位置検出顕微鏡と光ピンセットを用いた外力下での単離マウス気管繊毛先端の軌跡の解析
言語 ja
タイトル
タイトル 3ジゲン イチ ケンシュツ ケンビキョウ ト ヒカリ ピンセット ヲ モチイタ ガイリョクカ デノ タンリ マウス キカン センモウ センタン ノ キセキ ノ カイセキ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 加藤, 孝信

× 加藤, 孝信

WEKO 46932

ja 加藤, 孝信

ja-Kana カトウ, タカノブ

en Kato, Takanobu

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 私たち哺乳類の “気管” は、体に有害な塵や病原菌といった物質に常にさらされており、これらの異物を押し流すための仕組みとして肺から喉頭へ向けた粘液の流れが存在する。この粘液流を生み出しているのは “繊毛” と呼ばれる気管表面に生えている小さな毛だ。気管上皮には1細胞に200本近い繊毛が生えていて、これら無数の気管繊毛のはたらきによって、私たちの肺の中が “無菌” に保たれている。
この繊毛は細胞から突き出た数 µm、直径約200 nmの毛のような細胞小器官で、気管だけでなく、脳室、輸卵管をはじめ、さまざまな生物種のさまざまな細胞に存在する (図a)。そしてこれらの繊毛は、繊毛打と呼ばれる波打つような動きにより細胞表面に水流を作ったり、繊毛打の生み出す推進力を用いて溶液中を遊泳したりする。そして特に、この繊毛打は自己調整を受けていることが知られている。繊毛の動きは、繊毛内部に存在する数千もの分子モーター “ダイニン” が、制御されて局所的に・順番に協調して力発生を行うことにより実現されている。ここで、繊毛を細胞から単離したうえで、一部の重要なタンパク質だけを残した状態でも、このダイニンの制御が行われて繊毛打が維持されるのだ。これは司令塔が無くても、自律的に複雑な波打ち運動を行うことができる、高度なメカニズムが内部に存在することを表す。
では、繊毛はどのようにして粘液流を生み出しているのだろうか。棒を前後に動かしただけでは流れが起きないように、剛体の単純な往復運動では一方向性の動きを生み出せないことが、流体力学的な観点から知られている。気管繊毛は、“有効打” と “回復打” から構成される繊毛打を行うが、 “有効打” のフェーズでは繊毛の先端が高い位置を、“回復打” のフェーズでは低い位置を通過することにより、行きと帰りの対称性が破られて一方向性の流れが生み出される (図a挿入図)。では、この繊毛先端の高さ方向の違いとして特徴づけられる非対称性をどのようにして定量化すればよいだろうか。通常の顕微鏡では2次元の観察しか行えないため、有効打と回復打で高さが異なるこの3次元的な運動を、実際の溶液中で時間とともに正確に記録した報告はなされていない。特に、生体内を模した高粘度環境下でどのような形状変化を行うのかはよくわかっていなかった。
本論文では、なぜ気管繊毛が高粘度環境下で粘液流を生み出す機能を果たせるのかを明らかにするため、外力に対する応答を評価した。そのために、速度に依存する抵抗力である粘性抵抗力と、ばねのような変位に依存する抵抗力を生み出すことができる光ピンセットという技術を用いて、繊毛に外力を与えたときの繊毛先端の動きを “3次元的” に測定した (図b)。

顕微鏡の構築
第2章では、3次元トラッキングと、3次元力測定を実現するための顕微鏡法について述べる。溶液中の微粒子を集光したレーザー光を用いて捕捉する技術である “光ピンセット” に対し、私たちの研究室で独自に開発された3次元位置検出顕微鏡を適用させた。これにより、試料にプローブとなるポリスチレンビーズを付着させることにより、ナノメートルオーダーの空間分解能とミリ秒オーダーの時間分解能を併せ持った3次元力測定を実現した。
単離マウス気管繊毛の先端の動きの3次元追跡と数理モデルによる解析
第3章では、気管繊毛1本の動きを取得するための実験系とその測定結果について述べる。私は、硫酸 (Sulfate) 基で修飾されたポリスチレンビーズが非特異的に繊毛の先端に付着することを発見した。この技術を用いると、繊毛先端にプローブとなる蛍光ビーズを付着させることができ、繊毛先端の動きを3次元位置検出顕微鏡を用いて追跡することが可能となる。溶液の粘度を変えた状態で繊毛先端の動きの3次元測定をしたところ、さまざまな条件下で繊毛の先端が有効打と回復打の高さの差を維持することを発見した。この高さの差の維持は、繊毛が非対称性を維持するという頑健性を表している。私は、数理モデルと組み合わせることにより、さまざまな条件下でこの高さの差を維持するという繊毛の性質が、有効な流れを生み出すことに重要であることを見出した。
光ピンセットによる、単離マウス気管繊毛の顕微操作
第4章では、繊毛1本に対して光ピンセットを適用することにより、繊毛に対して3次元的に制御された強い外力を与えた時のふるまいを解析した。先述のように繊毛は自己組織化されたマシナリーである。特に、繊毛は内部にある分子モーター “ダイニン” の発生する力学的なエネルギーのみを用いてダイニン自体の力発生が制御されていることが解っている。すなわち、繊毛の自己組織化された動きには、“力” を介したメカニカルなシグナルがかかわっていることが強く示唆されているのだ。では、繊毛に人為的に外力を与えると繊毛内部のダイニンの制御はどのように攪乱されるのだろうか。繊毛に強い外力を与えるために、私はこの測定システムに光ピンセットを組み合わせたうえで、繊毛先端のビーズを捕捉した。光ピンセットは、ビーズをばね型ポテンシャルで捕捉する技術であるので、その抵抗力は捕捉中心からどれだけ離れたかに依存し (増張力性) その速度には依存しない。私は、この増張力性の負荷をかけた時の繊毛の動きを解析した。驚くべきことに、繊毛を捕捉すると繊毛先端の動きは直線状に上下運動するように変化した。このとき、繊毛軸糸の形状変化は大きく制限されてほとんど形状変化ができない状態であったのにもかかわらず、この振動は一定の周期を維持していただけでなく有効打・回復打に相当するような2つの異なるフェーズから成り立っていた。この振る舞いは、繊毛がその形状変化をどんなに強く制限されても、有効打と回復打のフェーズを保つロバスト性をもつことを示唆する。
私は、この高精度測定と数理モデルを併用することにより、複雑な超分子マシナリーを解析していくという方法を今後も発展させたいと考えている。さらに、サンプルの化学状態を可視化する蛍光プローブを組み合わせることにより、他の生体内の超分子マシナリーの化学力学共役の可視化に挑戦していきたい。
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
著者版フラグ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(理学)
学位名(英)
言語 en
学位名 Doctor of Science
学位授与機関
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
学位授与機関(英)
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2019-03-31
学位授与番号
学位授与番号 32606甲第278号
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Ver.1 2023-05-15 15:05:32.868046
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