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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(臨床心理学)
  4. 2020年度

心理臨床におけるセラピストの身体を通した共感―ダンス/ムーブメントとフェルトセンスの活用―

http://hdl.handle.net/10959/00004977
http://hdl.handle.net/10959/00004977
9dbb4c46-be61-4dba-9113-a85b1c4a1dfa
名前 / ファイル ライセンス アクション
abstract_O176.pdf abstract_O176.pdf (333.2 kB)
ref_abstract_O176.pdf ref_abstract_O176.pdf (302.6 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2021-06-10
タイトル
タイトル 心理臨床におけるセラピストの身体を通した共感―ダンス/ムーブメントとフェルトセンスの活用―
言語 ja
タイトル
タイトル シンリ リンショウ ニオケル セラピスト ノ カラダ ヲ トオシタ キョウカン ダンス ムーブメント ト フェルト センス ノ カツヨウ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 山田, 美穂

× 山田, 美穂

WEKO 46824

ja 山田, 美穂

ja-Kana ヤマダ, ミホ

en Yamada, Miho

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 本論文は,心理臨床におけるセラピストの「身体を通した共感」について,特にダンス/ムーブメントと,「身体で感じられる意味感覚」であるフェルトセンス(Gendlin,1981/1982)の活用に焦点を当てて論じる。
臨床心理学は長く身体を軽視してきた歴史がある。しかし,心理臨床の中核的概念である共感は,本来的に身体に根差している。本論文ではセラピストの身体に,特に身体感覚と身体運動に着目して活用することにより,心理臨床における共感をさらに「身体を通した共感」として深める方法を示し,セラピストとクライエントの身体的体験を描写する。また,そのための研究方法を模索的に探求し提示する。本論文において「身体を通す」とは,相手の/自分の「身になること」,そして相手の/自分の「身から離れること」の両方を含む内的行為である。そして「身体を通した共感」とは,「セラピストがクライエントの身体的表出をできる限り受け止め感じ取り,それを理解しようという内的努力と身体の動きによって,感覚的共感・情動的共感・認知的共感が生じ,それが身体的・言語的表出によってクライエントに伝えられる,循環的なプロセス」である。
本論文は,全5部13章で構成される。
第Ⅰ部は序論である。第1章では共感の身体的次元に着目する必要性について問題提起し,続く第2章では臨床心理学における代表的な身体的アプローチとそれらが前提とする身体観を概観した。第3章では心理療法における共感研究を概観し,力動的・機能的・継時的な概念の枠組みを整理した上で,セラピストの身体的体験を重視する数少ないアプローチであるパーソン・センタード・アプローチおよびダンスセラピーの理論に注目した。以上の検討をふまえ,「セラピストの身体を通した共感のプロセス」をモデル化した。さらに身体を通した共感を軸とする実践の課題として,セラピストの自己探索の活用,クライエントの心理状態に応じた共感技法の使い分け,文化的背景に応じた実践方法の工夫を挙げた。また研究の課題として,セラピストの身体の使い方の提示とセラピストとクライエントの内的体験の描写を挙げた。第4章では,本論文を貫くリサーチ・クエスチョンとして,「1 セラピストの身体をどのように使えば,クライエントへの共感を身体を通して深めることができるか」,「2 身体を通した共感が生じるときに,セラピストとクライエントはどのような体験をするのか」,「3 身体を通した共感を言語化し伝達するために,どのような方法を用いることができるか」の3つを挙げた。
第Ⅱ部は方法論である。第5章では研究の方法論について検討した。本論文では一人称・二人称・三人称の事例研究を行う。特に心理臨床事例研究の基本である「二人称の事例研究」とは,セッションの中で「セラピスト(私)」が「クライエント(彼または彼女)」を共感的に理解しようとして生じた同一化と分化を,再度辿り直しながら進められる。すなわち研究者自身と研究対象者双方の一人称的視点と三人称的視点の間を往還して,二者の内的体験とその相互作用を探求するものである。さらに,身体を通した共感の研究のためには,「研究者の身体」を活用することが有効であると仮定し,芸術療法研究等で発展しつつあるアートベース・リサーチを参考に,研究者のフェルトセンスとムーブメントを用いた「身体を通した分析」を行う。
第6・7章は実践の方法論である。本論文の臨床実践事例(第Ⅲ・Ⅳ部)では,型のあるダンスである盆踊りとフラを用いることを特徴とする。これらの踊りが現代日本の文化に適した形へと変容しており,経験が無くても楽しみやすくかつ個々の踊り手の心の深みに触れる要素を含むこと,心理臨床実践で用いる際にはセラピストがクライエントの安全感を重視し,共に踊りながらグループの一体感と同時に個々の内的体験の差異を尊重する姿勢が重要であることを論じた(第6章)。また,ダンス/ムーブメントとフォーカシング(Gendlin, 1981/1982)を組み合わせた実践5例をレビューし,本論文においてフォーカシングを活用する方針として,セラピストの基本的な自分の身体への向かい方として保つ,ダンス/ムーブメントを通じて感じられたフェルトセンスを深める,クライエントに対するフォーカシング的態度を活用する,データ分析に活用する,の4つを示した(第7章)。
第Ⅲ・Ⅳ部は本論である。臨床実践における身体を通した共感の諸側面を検討することを目的として,計5つの臨床事例研究を行った。
第Ⅲ部では,フラを軸とした子育て支援活動である「親子フラ教室」の実践について,異なる切り口から二人称・三人称の事例研究を行った。第8章は乳幼児の母親へのグループ支援事例として,伝統的な臨床事例研究法を用いて3年3か月の経過を記述した。子育てにも踊ることにも強迫的であった母親たちが,フラを通してリラクセーションと自己表現の模索を体験し,子ども-母親間,母親-セラピスト間の無意識的な共鳴という同一化した状態から,それぞれが個と個として分化していった過程を示した。三人称の事例研究である第9章では,ある医療福祉施設でフラを披露するパフォーマンス体験において生じた観客との身体的な相互交流について,ダンサーとして参加した4人の母親へのクライエント・インタビューを行った。観客との「見る/見られる体験」の分析から,小さな危機事態を繰り返し乗り越えることを通して安全感が強まり,セラピストや他のメンバーとの同一化が,さらに分化が生じて,共感が深まるプロセスを示した。これら2つの事例研究では,実践記録とインタビューから得た言語的データの分析により,臨床実践における相互交流やセラピストの自己探索の一部を描き出すことができたが,クライエントの身体的体験を詳細に検討するには至らなかった。
そこで,第Ⅳ部では,一人称・二人称の事例研究を通して,実践と研究の方法の拡大を試みた。第10章では,フォーカシングをベースとした研究法であるTAEステップを用いて,ダンスセラピーのトレーニングにおけるトレーニー=研究者の自己探求のプロセスを理論化した。この一人称の事例研究において,セラピストの自己探索プロセスの詳細と,研究者のフェルトセンスを活用することの有効性が示唆された。第11章ではそれを発展させ,親子フラ教室における一組の親子への個別支援事例で,セラピスト=研究者のフェルトセンスとムーブメントを用いた分析を行い,これを「身体を通した分析」と名付けた。段階的・多元的な分析を通して,親子フラ教室での体験が母親にとって「抱っこ」の多重構造になっており,その体験を通して,母親と子どもが自然な分化を果たしていったことが,セラピスト=研究者に体感として理解された。さらに第12章では,認知症高齢者グループとのダンスセラピー場面について,身体を通した分析を行い,個々のクライエントおよびグループへの身体を通した共感とその活用について検討した。盆踊りが蘇った場面における認知症高齢者の身体的記憶の想起と,セラピストの共感に基づいた創造的即興のプロセスを示し,ひとときの強い同一化と静かに個々の内側に戻っていく分化の両方を支えるセラピストの役割について検討した。
第Ⅴ部は結論である。総合考察(第13章)では,3つのリサーチ・クエスチョンへの回答を示した。まず,リサーチ・クエスチョン1について,本論文の実践の指針とした①ダンス/ムーブメントを活用する:身体的アプローチの工夫,②フェルトセンスを活用する:セラピスト自身の身体へのかかわりに加え,特定の技法を用いる前提としての③クライエントの「安全」を守る:クライエントの身体に対する姿勢,の三つの次元で整理した。
次にリサーチ・クエスチョン2について,まずセラピストの体験とクライエントの体験という観点から回答した。さらに,事例研究において見いだされた,セラピストがクライエントに身体を通した共感を試みる際に生じる「2つの体験の重なり」について検討した。それらは,a.「する体験」と「される体験」が重なり反転する,b.現在の身体的体験が過去の身体的体験と相似する,c.セラピストとクライエントの自己探索が部分的に一致する,d.自分を感じる体験と相手を理解する体験が重なる,であった。セラピストによるクライエントへの同一化には,能動と受動を超えた関係性の取り入れとセラピスト自身の身体的記憶の想起が伴い,それらがセラピストの自己の分化とクライエントへの認知的理解へとつながり,さらにそれらを表現し伝達することを通して,クライエントとの分化が進んでいくと考えられる。
最後に,リサーチ・クエスチョン3については,研究者の身体を通した分析として,研究者のフェルトセンスを使ってデータを身体的に感じ,それをムーブメントで表現することを繰り返して,クライエントの視点に近づく方法を提示するに至った。身体を通した共感を軸とする実践を,身体を通した方法で分析するということは,セラピスト=研究者の一人称・二人称の体験としての「身になること」と「身から離れること」を再度深く体験し直し,三人称の言葉を使って伝達を試みるということである。
本論文は,心理臨床実践および研究における,セラピストおよび研究者の「身体を通すこと」の意義を示した。特に,「身体を通す」とは心身および自他の一元と二元を往還することであり,そのプロセスを支える行為として「身体が動く/身体を動かすこと」と「身体が感じる/身体を感じること」の組み合わせが有効であるという知見を示した点に,本論文の価値がある。
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
著者版フラグ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(臨床心理学)
学位名(英)
言語 en
学位名 Doctor of Philosophy in Clinical Psychology
学位授与機関
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
学位授与機関(英)
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2021-01-21
学位授与番号
学位授与番号 32606乙第176号
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Ver.1 2023-05-15 15:06:59.640644
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