@article{oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00005609, author = {ブラウン, フィリップ and Brown, Phillip}, issue = {21}, journal = {言語 文化 社会, Language, Culture and Society}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 『深川の唄』の前半で、荷風(というより荷風自身であることが明らかなナレーター)は、1908 年12 月下旬に、路面電車で東京を周り、近代化が進む明治時代の東京とそこで暮らす人々を仔細に観察する。そして後半では、荷風と思しき人物が隅田川を渡って深川に足を踏み入れる。ここでは、急速に近代化されていく新しい都市の中で、時代に取り残され老朽化していく下町が、不動堂の境内で江戸時代の端唄を歌う三味線奏者に具現化されている。この三味線奏者、そして彼の歌声は、日本が文明開花に邁進する中で捨て去った、古き日本の情景を荷風の心に呼び起こす。荷風は、この消えゆく古い日本の町に、軽薄な物質主義からの避難所とも言える安らぎを見出すが、それでも自分がこの場所に属していないことを認識し、結局、再度隅田川を渡り、現代の明治の都市に、そして洋書に囲まれた彼の書斎に戻ることを決める。「東京の下町を散策し、過去を呼び起こす」、それはパリから戻った若い荷風が『深川の唄』で初めて取り上げた手法である。彼はその後の作品においても、このテーマに立ち返り、古き日本と近代化の狭間に生きる20 世紀の日本人作家のジレンマを描いていくことになる。}, pages = {23--42}, title = {明治東京を周る : 永井荷風の『深川の唄』を読む(2)}, year = {2023}, yomi = {ブラウン, フィリップ} }