WEKO3
アイテム
大学生における就職活動目標の検討
http://hdl.handle.net/10959/00005257
http://hdl.handle.net/10959/00005257b9c678b4-c78a-4840-97bb-6d2e95e4f016
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2022-02-06 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 大学生における就職活動目標の検討 | |||||
言語 | ja | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | ダイガクセイ ニオケル シュウショク カツドウ モクヒョウ ノ ケントウ | |||||
言語 | ja-Kana | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | open access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||
著者 |
小菅, 清香
× 小菅, 清香 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 学校から社会の接続である「就職活動」という移行期は,青年が今後の人生の在り方を形作る重要な局面である。就職活動では自身の志望を明瞭にするだけでなく,自身の活動進度や採用スケジュールといった「状況」に則した「目標」を設定して活動しなければならない。すなわち,ある活動を,なぜ今行わなければならないのかを自覚し,それに基づく目標の設定と活動の実行が,最終的に本人が満足のいく就職達成をなす上で肝要である。この過程を把握し,就職活動での移行を支援するために本研究はなされたものである。 第I部は第4章で構成される。第1章では大学生の就職活動上の問題を概観し,「就職活動を行いながらも成果の出ない層」では「意欲」「活動方法のスキル不足」「状況に合わない自己流の活動」という心理面での課題が見られたため,彼らの動機を可視化し,時期に応じた活動が促進されるかという心理学領域からの検討が必要であることを示した。そこで本研究では当該層に焦点をあて,「自己と社会に応じた活動は就職達成につながるか」というリサーチクエスチョンを設定した。第2章では活動過程に積極的に関与して自らで活動を進めていく様を体系立てた自己調整理論に着目してレビューを行った。その結果,自主的に活動を進められる学生とそうでない学生の違いは「目標設定」にあることを同理論は示唆していた。しかし状況に基づく目標の設定は,学生にとって必ずしも容易なことではない。大学の教育カリキュラムや新規学卒一括採用システムという未経験の流れに学生は無自覚に組み込まれ,自身の志望は不明瞭でありやすく,就職活動が開始しても多くの不採用から目標の再設定が困難となりやすいためである。そこで第3章では,大学生の追求する目標がどのように扱われてきたかを検証することを目的とし,就職活動における目標と活動についての先行研究を概観した。その結果,自己調整理論において活動を生起させ,制御し,維持する重要な動機づけ要因としての「就職活動目標(Job Search Goal,以下JSG)」と呼ばれる行動目標への着目が有効なこと,JSGは大学生を含む未就業者から転職を意図する就業者に至るまで,求職者一般に広く確認されていることが示された。しかし,未就業者では未だJSGの検討は少なく,検討されていても目標内容の具体性が低いことが明らかになった。また,状況を含む目標の効果が生じたメカニズムやプロセスについては十分な説明がなされていないという限界点もみられた。さらに,JSG測定の方法論にも課題が残されていた。第4 章では,上記の議論をふまえ「就職活動を行いながらも成果の出ない層」を対象に,JSGが進行状況などの内的な状況と採用スケジュールなどの外的な状況といったこれらの「状況」といかに関連しながら,活動や成果につながるかといった過程を明らかにするため,「状況に則したJSG設定がそれに基づく戦略をもたらし後続の就職達成につながる」という仮説を立てて検討することにした。その検討結果をふまえ,大学におけるキャリア支援で実行可能な目標設定方策を提案することを目的とすることを述べた。 第II部では「JSG」に着目し,実証的検討を進めた。まず第5章(研究1)では,異なる分野を専攻する学部生・大学院生かつ内定を得た17名を対象にインタビューを行い,JSGの定義に基づき内容を収集し,現状の認識とそれに基づきなされた活動を分類した。その結果,情報収集の他に未内定の回避や企業へのアピールといった8つのJSGが抽出され,活動を継続できた者はJSGを自覚し,理想状態との隔たりを埋めるように活動を実施している可能性が示された。第6章(研究2)では,同一大学に所属する年度の異なる大学3年生 259名を対象として,第5章の内容を基に作成したJSG尺度と,状況把握や準備/応募活動の頻度との関連を検討した。その結果,「基礎的情報収集(e.g. 就職活動に何があるか知る)」「社会人訪問(e.g. 志望企業の実態について社員の口から聞く)」「選択肢の確保(e.g. 持ち駒をなるべく多くもっておく)」「一社集中(e.g. 志望する1社に対してかける時間を増やす)」の4因子でJSG尺度は構成され,それらの追求は就職活動状況を把握し,活動を多く行うことに関連すると示された。したがって,JSG尺度の信頼性と妥当性は担保されたと判断した。さらに情報探索戦略へ及ぼす影響を検討した結果,3年生では志望の明瞭さに加え,「基礎的情報収集」の追求が「焦点型戦略(e.g.企業を絞り込む戦略)」と「探索型戦略(e.g.幅広く企業を探索する戦略)」の使用を分けることが明らかになった。しかし,一時点かつ3年生のみを対象とした検討のため,進行状況によるJSG追求の違いを検討できなかった。そこで第7 章(研究3)では,大学3年生133名,大学4年生147名の計280名を対象とし,進行状況とJSG追求について検討した。その結果,(1)学年により異なるJSGが追求されること,(2)4年生では志望が同程度に明瞭なら「一社集中」を重視するほど「焦点型戦略」が,重視しないほど「探索型戦略」が使用されることが明らかとなった。したがって志望を明瞭にすることに加え,志望が不明瞭でも一社への努力投入を増すことの重視がより有効な戦略使用のために重要と結論づけた。しかし調査の時期や対象の問題から,就職活動渦中における個人内の目標・戦略の変化および,目標と戦略が内定獲得へ有効であるかが不明である点に課題を残した。そこで第 8 章(研究4)では,就職活動初期の学生が成果に至るまでの過程を縦断的に検討した。関東圏内私立大学2校の大学3年生で調査期間中に4年に進学した78名を対象に4時点調査を実施し,個人の進行状況という内的な状況と公的な採用スケジュールという外的な状況に則した目標追求とそれに基づく戦略使用が成果に至るかについて検討することを目的とした。その結果,(1)個人の活動進度と公的な採用スケジュールといった状況により異なるJSGが追求されること,(2)時間経過に伴い志望は明瞭となる一方,「一社集中」はいつ重視するかに個人差があり,「焦点型戦略」の使用は増加しないこと,(3)志望が同程度に明瞭なとき,情報収集段階での「一社集中」の追求および「焦点型戦略」の使用が後続の応募段階での内定につながることが示された。この知見は,個人が自己と社会の双方に照らして「状況」を認識しており,その「状況」に一致したJSGが設定される際に成果がもたらされることを示唆している。このことは,個人の主体的な目標設定とそれに基づく活動の実施を実証していると考えられる。ただし内定獲得に有効なJSGと戦略は単なる時間経過によってはもたらされなかったことから,JSG設定のための特別な支援が必要となることも同時に示している。 第III部について,第9章の総合考察では,(1)大学生は活動実施のための多様なJSGをもちえ(cf.研究1・2・3・4),(2)JSGは活動進度(cf.研究3・4)や採用スケジュール(cf.研究4)といった状況に応じて追求されること,(3)4年生の選考時に,志望を明瞭にし,活動進度と採用スケジュールに適した「一社集中」を追求できていると焦点型戦略が使用され,後続の成果がもたらされること(cf.研究4)が示されたことを確認した。これらは本研究を貫く「状況に則したJSG設定がそれに基づく戦略をもたらし後続の就職達成につながる」という仮説を支持する結果である。そこで一連の研究結果をふまえ,JSGの設定に焦点を当てた支援において焦点を当てるべきポイントを明確化した。JSGはある時期における学生のキャリア発達が定型か非定型(早熟・未熟)かを判断する指標たりえ,大学での画一的なキャリア支援に限界があることを示唆するものであった。ゆえにJSGに焦点をあてた対象のスクリーニングと個別での支援提供が必要であることが提案された。上記の内容は,個々の学生の活動進度に応じた目標設定方策を提案するものである。第10章では,本稿の限界点について,調査対象が限定されている点や,支援者視点での検討が不足している点,調査時期から自己調整サイクルを追い切れなかった点,直接的に活動制御にあたる変数を扱えていない点,回避的な動機づけへの検討が不足している点を挙げ,今後の研究の展望について考察を行った。 |
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フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | VoR | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||
学位名 | ||||||
言語 | ja | |||||
学位名 | 博士(心理学) | |||||
学位名(英) | ||||||
言語 | en | |||||
学位名 | Doctor of Philosophy in Psychology | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||
言語 | ja | |||||
学位授与機関名 | 学習院大学 | |||||
学位授与機関(英) | ||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||
言語 | en | |||||
学位授与機関名 | Gakushuin University | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2021-10-21 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 32606甲第303号 |