{"created":"2023-05-15T14:23:57.046978+00:00","id":5079,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"1e72f96c-3fe2-4853-bcd1-80c0ecf58ff8"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"5079","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"5079"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00005079","sets":["1253:135:141:1277"]},"author_link":["46851"],"item_10006_date_granted_44":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2021-10-01"}]},"item_10006_degree_grantor_42":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"学習院大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"32606","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_10006_degree_grantor_49":{"attribute_name":"学位授与機関(英)","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Gakushuin 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。この外、いけばな史の通史的研究として、工藤昌伸氏の研究によって唐様の花と和様の花とが比較いけばな史の角度からとらえられ 、鈴木栄子氏の研究により、中国古代の挿花文化における文人趣味と日本のいけばなとの関係が考察されている。この類の著作は全ていけばなに関する研究であり、大きな特徴の一つは、古代中国における挿花文化を考察対象に入れ、日中両国の文化交流史の中で花器が花に付随する形で検討される、というところにある。\n本研究では、中国における挿花文化の伝統を整理しつつ、文献と作品の分析を通じて花器の造形性に関して再検討していきたい。花器からみれば、古代中国において花を器の中に生けるという行いは、時代の変化と共に、宗教儀礼から個人の感情を表す嗜みの一環となっていった過程が非常に明瞭に分かってくる。また、花器の器形の変化は、時代的な特徴があり、当時の建築様式や時代の好み、そして美学意識などの間に、密接な関係があると考えられる。花器の伝統と系譜の整理を通して、時代ごとの挿花文化の特徴を分析し、当時の歴史背景の下に、如何なる材質と形の花器が用いられ、どのような花が生けられており、またそこから反映された好みや美意識が当時における大きな思想の流れと何か関係があるか、について再検討していく。\n花を愛でる習慣は、地域、民族を問わずに、世界共通のことだといえる。中国では、紀元前に既に花に関する詩歌が謳われるようになっていた。花器に入れて花を生けるという行いは、前漢末から後漢初め頃(1世紀前後)にかけて、中国に伝わってきた佛教に関わる資料の中から比較的に多くみられる。\n仏に花を供えることを説いている『無量寿経』は後漢時代に漢訳されており(曹魏・康僧鎧訳『仏説無量寿経』)、花を瓶に入れ、仏に供える「供花」という宗教儀礼は、おそらくそれほど時を経ずに始まったと考えられ、五世紀の南北朝時代には、『南史・斉晋安王子懋伝』に、花器に花を入れて仏に捧げる記載が見られる。\nその後、隋・唐時代の詩歌、散文の中には、花と花器に関する語句が多くみられるようになり、たとえば、中唐時期の学者欧陽詹が『春盤賦』を著し、中に「事隨意制、物逐情裁」とあるように、挿花という行為が宗教儀式の一環から離れ、個人の心情の表れとして独立し始めていることが窺われる。更に晩唐期では、花の格に相応しい花器を取り合わせるべきだという説も登場している。羅虬が『花九錫』という著作において、「花九錫亦須蘭蕙梅蓮輩、乃可披襟。若芙蓉躑躅望仙山木野草、直惟阿爾、尚錫之云乎。」とあるように、「蘭蕙梅蓮」という類の花を王朝の重臣と見なし、これらの高貴な花に対して、与えるべき九種の器物を並べている。一方、「芙蓉」・「躑躅」は山野の草のようなもので、観賞の対象外であったと記している。\n五代の陶穀の書いた『清異録』という随筆書には、「錦洞天」の條に、「李後主毎春盛時、梁棟窓壁柱拱階砌並作隔筒、密挿雑花、榜曰錦洞天。」とあり、李後主は毎年仲春の頃に、天井、窓際、壁、柱、階段など至る所に竹筒を掛け、花を入れ、題榜をかかげて「錦洞天」といったという。これはおそらく中国における花の定期的な催しに関する最古の記録であろう。\n宋時代の挿花文化は、唐の華やかで大型の花を挿すスタイルを継承する一方、禅宗思想と融合した性理学を唱える儒教と相まって、個々人の心情をより一層重視し、社会各階層の日常生活に取り入れられていった。とくに宮中の挿花は威厳と儀礼を象徴し、南宋末期の士大夫周密が『乾淳起居注』という著作の中で、禁裏に用いられた花と花器の種類及び設えに関する細かな記録を残している。また、宮廷に限らず、都市を中心とする公共生活において、宴会用の挿花は「四司六局」という専門職に司られていた。その役割に関しては南宋時代の『夢梁録』や『都城紀勝』などの書物に記載されている。一方、文人階層にとっての挿花は、個人の審美眼と美意識を表すものであった。知識層は花を愛でながら、同時に花器の鑑賞も楽しんでいた。\nとくに宋代の陶磁器生産の技術の向上に伴い、観賞性を高めた器が徐々に富裕層などに受容され、調度品として室内飾りの重要なアイテムとなっていく。陶磁器は、唐時代の金属器やガラス器をモデルにしながら形を写し、独自の造形的特徴も加えて豊かに展開していく。宋時代に生まれた器形の多くは、後世にも受け継がれていくのである。また、陶磁器以外にも、従来の金属器を始め、ガラス器、竹材などの器も広く使用されていくようになる。とくに花瓶の器形に関しては、中国古来からの伝統的な器形と、西域など海外からもたらされた新しい器形とが併存する状況を指摘したい。 \nさらに、宋時代の挿花文化が、日本へも影響を及ぼした状況にも触れてみたい。日本では、平安時代の文学作品から「花瓶」という語彙が既に見られる。10世紀の『枕草子』には、「おほきなる瓶」に桜を挿す、という文言がある。また、『源氏物語』の中に書かれた様々な草花、とくに秋草に対する強い興味は、ちょうど同時代の中国における山野の花に対する評価の変化を想起させる。両者の間の関連及び影響を合わせて探ってみたいと思う。 \n本研究はこれまで日本であまり渉猟されていない中国の伝統花器に光を当てるものであり、本格的な中国古代における花器研究となる。比較文化史の面からみれば、中世日本において、長らく中国に滞在した帰国僧たちが大陸の挿花文化を日本に請来したが、それは寺院における供花だけではなく、宋元時代の文人趣味の挿花をも含んでいたと考えられる。中国における花器使用の歴史と流れから日中両国の挿花文化史を探り、その中から時代ごとに花器に対する認識の変化を考え、中国だけではなく、日本における花器と挿花文化史の研究についても、一層の厚みをもたらすことができると考えている。\n","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_description_32":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_10006_dissertation_number_45":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"32606甲第299号"}]},"item_10006_version_type_33":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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