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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(理学)
  4. 2020年度

X線吸収微細構造解析法を用いた鉄マンガン酸化物吸着反応及び炭酸カルシウム結晶多形選択時の銅局所構造解析

http://hdl.handle.net/10959/00004969
http://hdl.handle.net/10959/00004969
ba605544-d05b-4c31-8a01-9a8bb8dce3a5
名前 / ファイル ライセンス アクション
abstract_K296.pdf abstract_K296.pdf (527.1 kB)
ref_abstract_K296.pdf ref_abstract_K296.pdf (285.5 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2021-05-25
タイトル
タイトル X線吸収微細構造解析法を用いた鉄マンガン酸化物吸着反応及び炭酸カルシウム結晶多形選択時の銅局所構造解析
言語 ja
タイトル
タイトル Xセン キュウシュウ ビサイ コウゾウ カイセキ ホウ ヲ モチイタ テツマンガン サンカブツ キュウチャク ハンノウ オヨビ タンサン カルシウム ケッショウ タケイ センタク ジ ノ ドウ キョクショ コウゾウ カイセキ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 伊地知, 雄太

× 伊地知, 雄太

WEKO 46920

ja 伊地知, 雄太

ja-Kana イジチ, ユウタ

en Ijichi, Yuta

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 1章 序論
鉄マンガン酸化物と炭酸カルシウムはそれぞれ海洋での主要な化学堆積物である。地球化学的研究において、これらの様な堆積物中に含まれる化学成分から海洋中での元素循環や古環境情報を読み解くためには、その物質が経験した生物・物理化学的過程を理解する必要がある。銅は鉄マンガン酸化物と炭酸カルシウムそれぞれへの元素取り込みによって、溶存相中の銅安定同位体組成や炭酸カルシウムの結晶多形をコントロールしていると考えられている。本研究では、X線吸収微細構造解析法(XAFS法)を用いてこれらの反応系中での銅の化学種解析を試みた。XAFS法において、銅は二価の状態でJahn-Teller効果により配位環境に特に敏感な
XAFSピーク形状の変化を観察することができる(Garcia et al., 1989)。また、スペクトル中の一部のピークシフトは銅の結合対称性の違いを反映する(Shimizu et al., 2001)。XAFS法におけるこれらの銅の特徴を利用することで、上述した化学堆積物中での銅の化学反応機構について議論する。
【引用文献】
Garcia et al. (1989) Chem. Phys. 132, 295-302.
Shimizu et al. (2001) Phys. Chem. Chem. Phys. 3 862-866.

2章 実験手法および分析手法
本章では本研究で主要な役割を果たす分析技術について解説する。誘導結合プラズマ質量分析法はアルゴンプラズマをイオン源とする質量分析計であり、イオン化された試料中元素を質量ごとに電気信号として検出する。汎用的な濃度分析のほかに、質量分析法であることから同位体分析も可能な手法である。本研究では用途に応じて二つの質量分析法を使用した。元素濃度分析には反応ガスによって妨害信号の低減が可能なコリジョン・リアクションセルを備えた質量分析計を、精製した試料の同位体分析には高精度同位体分析が可能な多重検出型質量分析計を使用した。XAFS法はX線の吸収スペクトルであり、分析元素の内殻電子遷移に相当するエネルギーを持つX線を入射するとX線の吸収が起こる。X線の吸収が起こり始めるエネルギー領域をX線吸収端近傍構造(XANES)と呼び、さらに強いエネルギーのX線での吸収スペクトルを広域X線吸収微細構造(EXAFS)と呼ぶ。XANESは原子内での電子遷移によるもので、分析元素の価数や結合対称性についての情報が、EXAFSは原子間での光電子波干渉によるもので、分析元素周辺の原子種、存在数、原子間距離といった情報を得ることができる。

3章 鉄マンガン酸化物吸着反応時の銅同位体分別と化学種解析
【背景】鉄マンガン酸化物は深海底に広く分布し、海水に溶存する金属元素を多く取り込むことが知られている。海水に含まれる銅(Cu)などの微量金属元素の濃度及び同位体組成は鉄マンガン酸化物への吸着反応により変動するため、その取り込みの際に起きる同位体比変動が新たな環境指標として注目されている。海水中Cu同位体組成の鉛直分布は深海底に向かって重くなっており、堆積物への取り込みがCu同位体組成に関与していると考えられている(Takano et al., 2014)。鉄マンガン酸化物に取り込まれたCuは海水より軽い同位体組成を持つため(Albarède, 2004)、海水からの軽いCu同位体の優先的な吸着が予想される。しかし、実験室内で鉄水酸化物に対してCuを吸着させた研究では、重い同位体が固相に集まるとの報告がある(Balistrieri et al., 2008)。鉄マンガン酸化物吸着時のCu同位体分別のメカニズムについては、現在実験室内での吸着実験やXAFS法を用いた化学種解析から議論がなされている(Little et al., 2014b)。本研究では未だ報告されていないマンガン酸化物(δ-MnO2)吸着時のCu同位体分別を実験的に観察し、鉄水酸化物(ferrihydrite)吸着時の分別と併せて報告する。さらに、吸着したCuに対してXAFS法を用いて吸着化学種の解析を行った。
【研究手法】合成したδ-MnO2、ferrihydriteを0.01 M硝酸カリウム水溶液に懸濁させ、各懸濁液に塩化銅(II)溶液を加えた。吸着が定常状態に達した時点で固液相を分離し、液相中に残ったCu濃度から酸化物に吸着した割合を算出した。元素濃度の測定には誘導結合プラズマ質量分析法を用いた。同位体測定を行う前に、陰イオン交換樹脂を用いてCuを主成分から精製した。65Cu/63Cu比の測定は二重収束型多重検出誘導結合プラズマ質量分析法を用いた。また、Cuを吸着させたδ-MnO2、ferrihydriteに対してXAFS解析を行った。XAFSの測定は放射光施設(Photon Factory BL-12C)にて、CuのK吸収端XAFS測定を行い、Cuの局所構造を解析した。
【結果と考察】同位体測定の結果、δ-MnO2, ferrihydrite吸着時のCu同位体分別Δ65Cusoln-solidはそれぞれ0.45 ± 0.18‰ (2SD; n=12), 0.25 ± 0.10‰ (2SD; n=8)であった。どちらの酸化物に対しても、Cuは軽い同位体が濃集した。XAFS解析からは、吸着したCuはJahn-Teller効果によって歪んだ八面体構造を各酸化物の表面で形成する事が示された。さらに、δ-MnO2に吸着したCuからは、Mn空孔サイトを置換して構造内に取り込まれた事を示すスペクトルが得られた。このMn空孔サイト置換型の化学種の存在割合は、溶液のpHが上昇すると高くなった。一方で、Cu同位体分別の大きさは実験のpH条件範囲内(3.2 ~ 6.9)で変化せず、これは酸化物表面とMn空孔サイトに存在するCuのどちらも6配位の構造をとり、配位数に変化がないためであると考えられる。
【引用文献】
Takano et al. (2014) Nature Comms. 663 DOI: 10.1038/ncomms6663.
Albarède (2004) Mineralogy & Geochemistry 55 409-427.
Balistrieri et al. (2008) Geochim. Cosmochim. AC. 72 311-328.
Little et al. (2014b) Earth Planet. SC. Lett. 396 213-222.

4章 炭酸カルシウムの結晶多形選択に影響する銅の結晶中局所構造解析
【背景】炭酸塩鉱物として地球史上に幅広く存在する炭酸カルシウムは、カルサイト・アラゴナイトという二つの結晶多形が環境中で主に存在する。海洋で炭酸塩が沈殿する際の多形選択は海水のMg/Ca比に依存し、炭酸塩骨格生物の進化に影響してきたと考えられている(Stanley and Hardie, 1999)。しかし、Mg/Ca比がなぜ炭酸カルシウムの多形選択に影響するかは、未だに統一的な理解がされていない。その原因の一つとして、炭酸カルシウム中のマグネシウムを含む微量元素の構造が明らかでないという点がある。無機化学的な実験報告によると、マグネシウム以外に銅や亜鉛といったカルシウムよりイオン半径が小さい二価金属イオンが溶液に共存するとアラゴナイトが沈殿することが知られている(Kitano et al., 1969)。そこで本研究では、炭酸カルシウム多形選択に影響する二価金属イオンの構造を明らかにすることを目的に、XAFS法を用いてマグネシウム、ストロンチウム、銅の局所構造解析を行った。
【研究手法】分析試料となる炭酸カルシウムは、1 Lガラスビーカー中に炭酸カルシウムが過飽和状態となる様に調製した塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム溶液に対して、塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、塩化銅を添加して沈殿させた。合成した炭酸カルシウムのXAFS測定はそれぞれMg: RITS SR Center BL-10、Sr: Photon Factory-AR NW10A、Cu: Photon Factory BL-12Cで行った。炭酸カルシウム母液、結晶中の元素濃度分析は誘導結合プラズマ質量分析法を用いた。
【結果と考察】カルサイト試料中のマグネシウム、ストロンチウム、銅では、それぞれCa2+サイトを置換したことを示す、隣接カルシウムによるEXAFS振動が観察された。一方でアラゴナイト試料中では、ストロンチウムのみが隣接カルシウムによるEXAFS振動を示した。銅のXANESスペクトルからは、アラゴナイト試料で銅はヤーンテラー歪みを持った6配位状態で存在することが示されていた。イオン半径がカルシウムより小さく、9配位をとることが難しい元素がアラゴナイトと共沈すると、そのイオンは6配位構造を保つと考えられる。
【引用文献】
Stanley and Hardie (1999) GSA TODAY 40, 1-7.
Kitano et al. (1969) Am. Zool. 9, 681-688.

5章 総括
本章では本研究の成果について総括する。3章では、海洋でみられる鉄マンガン酸化物―銅吸着反応における銅同位体分別を分子レベルで理解するために、天然環境を模した室内実験を行った。この際、同位体分別実験とXAFS解析を同一の実験者が同じ試料を用いて行うことで、整合性の高い解析を行った。吸着反応での同位体分別はδ-MnO2で0.45±0.18‰, ferrihydriteで0.20±0.10‰と、両相に対してそれぞれ軽い銅同位体の優先的な吸着を観察することができた。二つの酸化物への吸着化学種は液相中と同じ6配位であるが、酸化物表面との結合によって固定されたことで Jahn-Teller効果が抑制され、結合の安定化効果が減少したために結合の強さが弱まったとみられる。4章では炭酸カルシウム結晶多形の一つである、アラゴナイト生成に大きな役割を果たす共沈元素について化学種解析を行った。天然で重要なマグネシウムのみではなく、無機化学的により大きな影響を与える銅についても分析することで結晶中でのXAFSスペクトルの変化をより鮮明に観察することができた。アラゴナイト中でマグネシウムや銅といったカルシウムに対してイオン半径が小さいイオンは、アラゴナイト中において9配位の陽イオンサイトを6配位で置換しているとみられる。これにより、微量元素の共沈による鉱物相の安定性がこれまで主にカルサイトについてのみ考慮されていたのに対し、アラゴナイトについても考慮する必要があることを示した。
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
著者版フラグ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(理学)
学位名(英)
言語 en
学位名 Doctor of Science
学位授与機関
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
学位授与機関(英)
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2021-03-31
学位授与番号
学位授与番号 32606甲第296号
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Ver.1 2023-05-15 15:05:44.096890
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