{"created":"2023-05-15T14:23:35.038548+00:00","id":4552,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"3604c9b9-8d6a-4e1f-95b9-febcc7f130ec"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"4552","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4552"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00004552","sets":["1253:135:139:1326"]},"author_link":["47100"],"item_10006_date_granted_44":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2018-10-18"}]},"item_10006_degree_grantor_42":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"学習院大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"32606","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_10006_degree_grantor_49":{"attribute_name":"学位授与機関(英)","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Gakushuin 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近世寺院や僧侶のイメージは本末体制や寺檀制度をめぐる先行研究によってもたらされている。こうした研究による成果はもちろん重要であり、尊重すべきものであるけれど、現場の寺院や僧侶の実際の姿はいかなるもので、あったか、本稿で取り扱う新義真言宗を含め、あまり明らかにされてきてはいない。本稿では大悲願寺とその門末の具体像を基礎的なデータを提示することで示し、次にいくつかの事例を通じて村落や檀家との関係性について紹介することを目的とする。一部一章では、新義真言宗豊山派大悲願寺(東京都あきる野市)が所蔵する「大悲願寺文書」(東京都文化財)を利用し、田舎本寺を構成していた寺院の基本情報を提示することを目的とし①地域的な特徴②所属していた僧侶の特色③住持人事の特色④円末寺院の経営の特色をみる。『新編武蔵国風土記稿』を用いて大悲願寺門末寺院が分布していた小宮領の各宗派の分布状況などについて数量的に示すことにより、先行研究で指摘されていた関東地域の寺院分布状況と比較し、当該地域についても真言宗寺院が多く存在したことを 明らかにする。また、大悲願寺は田舎談林でもあったのでその談林活動の変遷を窺い時代が下ると参加者が減少していた様子を窺った。そして、大悲願寺門末寺院に所属していた僧侶については「大悲願寺文書」の「人体起立書」(入寺する住持の略歴が記される)よりデータを集め、田舎本寺を中心とした本末組織に所属する僧侶については、必ずしも門末内で再生産されていたわけではないことなどを紹介した。さらに、大悲願寺門末内の住持人事については、「高記録」(大悲願寺住持二代の記録、天明五年から文化十四年に渡る)の具体例などから、本寺住持の関与はあまり見られないこと(門徒寺院住持については特に)や各僧侶自身の意志でが比較的自由に移転を行っていたことなどを紹介する。大悲願寺とその末寺・門徒寺院の若干の金銭出入帳簿を紹介し、 本寺・末寺・門徒の経営の特色について、布施収入の比率の低いことや寺院の収入格差などを見る。以上より大悲願 寺門末では、本寺の門末へ対する権限の弱さを流動的な僧侶集団が構成する点から想定し、時代が下ると無住が増える状況を門徒寺院の経営面から推定する。また大悲願寺住持慈明の言より各地方教団組織ごとに門徒の財産管理の仕方などに個性があったと推測されることを指摘する。二章では 「高記録」(天明五年から文化十四年)の記事を中心に大悲願寺の葬祭活動の実情を検討する。近世の宗教活動(葬儀と祈祷など)について寺院経営との関連も含め、個別実証研究の蓄積は少ない。「高記録」記載時期における葬儀の実態とその華美化傾向がみられることを指摘する。大悲願寺の過去帳(享保十七年までのもの)より戒名の変遷を追い、その後のいくつかの事例を紹介する。そして大悲願寺で行われた加持祈祷の具体例をしめす。一章でも取り上げた大悲願寺の金銭出入り帳簿より、大悲願寺の経営における布施収入の割合を検討し、 少なくはないものの収入の柱で、はなかったと推測する。大悲 願寺の事例では葬祭は華美化し、加持祈祷は増加する傾向がみられ、いずれも檀信徒の要望からであったことが窺える。三章では、本稿では清勝院文書(八潮市立資料館所蔵マイクロフィルムの紙焼き製本版)を用いて、田舎中本寺西勝院門末を概観し、大悲願寺門末以外の新義教団のあり方について事例を紹介する。現在西勝院は配下であった清蔵院と合寺レ清勝院(八潮市)という新義真言宗豊山派寺院となっている。まず西勝院所在地の各宗派寺院の分布状況を示し、やはり真言宗寺院が多く存在したことを示す。そして西勝院と配下の寺院住持の就任や交替事例を取り上げ、住職人事については本寺の関与があまり見られないことや本寺の意向があっても檀家からの要望があれば認められていたことなどを指摘した。門徒西福寺住持選 定事例や無住事例などから檀家らとの様々な係わり方を紹介する。二部一章では、大悲願寺及び末寺成就院と村方や檀家との聞に生じた争論を通じて寺檀関係や村方と寺院・僧侶の関係、領主との関係を考察する。大悲願寺文書と大福家文書(五日市町郷土館所蔵マイクロフィノレム)を用い、末寺成就院と伊奈村(成就院所在村)の間で生じた、 村方の慣例にない葬儀と成就院が檀家へ授けた院号、宗門改めの仕方をめぐる争論を扱う。新興の分家が戒名や葬儀で身上がりを望む姿、それを阻む村方(本家と大悲 願寺檀頭)、村方を支持する領主、そして村方や檀家に争論で敗北する寺院・僧侶の姿を見る。また、大悲願寺住持慈明が記した「石山一件」という記録より、同時期に生じていた大悲願寺住持と横沢村(大悲願寺所在村)名主との石山利用法をめぐる対立を窺う。上記争論とも関連した結果、やはり寺院側が檀頭らや村方に敗北する様子をみる。これらの事例からは檀家へ対し宗判権などをたてに強権をもって対峠する寺院・僧侶の姿は窺えない。また、寺院と対立した際に檀家は住持に対して不帰依を表明し、時には離檀との宣言をおこなう姿が見られた。寺院・僧侶は一定の譲歩や離檀を認めることもあった。補論では、大悲願寺門末内で生じた檀家から不帰依を表明された事例や離檀に至った事例を紹介する。大悲願寺門末では檀家より住持への不満がある場合、住持へ不帰依と表明し離檀を求めた。大悲願寺門末では、争論へ発展しないように、当該住持一代限りの離檀を認め、門末内の寺へ預ける対応などを行った。朱印地の領主である寺院と領民の対立事例や寺院財産管理をめぐる寺檀対立など様々な事例を紹介する。寺檀関係や離檀についてこうした多様な事例の蓄積が必要であると考える。大悲願寺門末と同規模の田舎本寺門末は多数あり、同様の寺檀関係もあったと推測も可能ではないか。二章では、「新末一件」という史料を中心に大悲願寺配下門徒寺院が末寺へ昇格する事例を検討する。近世の新義真言宗では田舎本寺配下の寺院に末寺と門徒という寺格の違いがあり、 末寺でなければ引導作法を行うことが出来ず、色衣着用も末寺以上との規定が存在した。末寺昇格をめぐる僧侶と檀家の動向から、当該期の宗教施設(寺院)と僧侶と檀家の関係や信仰のあり方を窺う。僧侶よりも菩提寺の末寺昇格を願う檀家の姿と移転する事もあり末寺昇格を望まぬ僧侶の姿を見る。昇格費用(報謝金)の工面に苦労する末寺と報謝金によって多くの資金をたやすく得ることが出来た本寺を見る。三章では、霊光寺(千葉県市原市、現在古義真言宗信貴山派)所蔵文書を用いて、教団に所属していなかった村の寺院が、真言律宗寺院へと変化する過程と、教団所属となったために三谷村(霊光寺所在村)との間で生じた争論「覚龍両度之一件」と「境内墓所塚林一件」を紹介する。 教団無所属の不動院(不動堂)が元禄期に如海という僧侶へ譲られ、不動院は真言律宗へ所属することとなり、 霊光寺と名称を改める。 如海へ譲られる際には周辺寺院と村方で、菩提寺についての取り決めがなされ、滅罪檀家を持たない寺院となった。「覚龍両度之一件」から、 三谷村のものが霊光寺の財産管理に関与していた事を挺子に利害対立した住僧の不正を本寺へ注進し、 結果住僧は追放される様子を紹介し、 「境内墓所塚林一件Jでは霊光寺除地境や境内の墓所をめぐる争論を通じて裁許絵図が作成され、 改めて霊光寺除地などが確認される過程をみる。 教団に所属する寺院となったため、 三谷村の者にとっては下草苅り場を占有する存在などとして時には村の利害対立をする存在とな った。 また霊光寺の財産は本寺霊雲寺の進退にあると言うことで教団からの保証と財産保持の義務も生じることとなった。以上検討を以下に纏める。 関東では新義真言宗寺院が数量分析結果よりかなりの勢力を誇っていたとされるが、 無住寺院が多く検討の余地があると考えられる。 大悲願寺門末の 場合、寺院収入に占める布施よりも朱印地や除地山林や地主経営による収入が中心であり、門徒寺院は地所など経済基盤が弱いものが多く、 無住の原因となったと考えられる。 所属する僧侶の多くは、 門末内に限らず移転した。 末寺へは定住する傾向が見られ、 門徒寺院に定着する者は少なく、 これも門徒寺院経営を不安定なものとしたと考えられる。 また移転する僧侶は、 寺院に対する檀家との認識の相違や地域社会の慣習への不案内な状況を生み、争論の原因となり、財産管理では檀家などに依存する傾向がみられた(特に門徒寺院)。大悲願寺門末では信仰を強制された檀家、 宗判権より様々な強制を受ける檀家といった姿は見えなかった。 時には住持より菩提寺の繁栄を願い、 手厚い葬儀などを求める様子が見 えた。 村・檀家と慣習などをめぐり争論となった場合、 争論を行わず穏便に、 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