{"created":"2023-05-15T14:23:34.995381+00:00","id":4485,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"0268ca65-0287-4e4f-9dbc-8d7d2fe5132d"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"4485","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4485"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00004485","sets":["1253:135:147:247"]},"author_link":["47200"],"item_10006_date_granted_44":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2018-03-09"}]},"item_10006_degree_grantor_42":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"学習院大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"32606","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_10006_degree_grantor_49":{"attribute_name":"学位授与機関(英)","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Gakushuin 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leaver)の記録へのアクセスをいかに促進するかという問題について研究を行うものである。ケアリーヴァーの記録へのアクセスについての研究は、イギリスやオーストラリアなどのいくつかの国では、既にアーカイブズ学だけでなく社会福祉学、社会学等を巻き込んだ議論が進展している。しかしながら、日本ではこれまで社会福祉分野のわずかな研究者によって、社会的養護における子どもの記録の保存が提案されるに留まり、ケアリーヴァー支援について、アーカイブズ学の学術的な知見に基づいた検証は行われてこなかった。そこで本稿では、国内外における先行研究を集約、分析し、アーカイブズ学の観点から社会的養護に関する記録や記録管理システムに焦点を当て、社会的養護で養育された経験を持つケアリーヴァーの記録へのアクセスの分析を行った。序章では、本研究が対峙すべき課題と対象とする範囲について示した。最初に、現在の社会的養護を取り巻く状況と記録管理に関する先行研究を整理し、本研究の課題である「社会的養護の記録管理とケアリーヴァーのアクセス支援」の検証にあたり、3つの視座を提示した。その3つの視座とは、①社会的養護における記録と記録管理システムの役割、②個人情報についての開示と公開、③社会的養護の記録管理に関わる専門職が果たすべき役割である。次に、本研究では、児童福祉施設での子どもの生活記録が含まれるケースファイルや日誌、面会記録を含む、社会的養護の子どもの状況に即して作成される記録や児童福祉施設や養子縁組等の措置を決定する児童相談所の児童記録票を社会的養護に関する記録として検討対象とすることを示した。第1章から第3章では、社会的養護における記録と記録管理システムの役割について、中心的に論じた。第1章では、日本の社会的養護の現場である公立、民間の児童福祉施設の記録管理に関する規定を検証し、その課題について明示した。そこでは、海外の児童福祉施設で見られる課題との類似点もあったが、記録管理の課題である保存年限の短さ、公文書館への移管、記録に含まれる個人情報に関する意識など、日本特有の課題について明らかにした。第1節では、NPOこどもサポートネットあいちが実施した児童記録票の保管期間や規則に関する全国の児童相談所や所管課へのアンケート結果の分析をおこなった。その結果、社会的養護を所管する自治体の記録管理は、自治体ごとの管理方針でなく児童相談所ごとの判断に委ねられていることが確認された。第2節では、国立の児童自立支援施設を事例に、社会的養護のなかでも最もセンシティブな情報を含む記録の管理と自治体の公文書館における個人情報の公開について検証した。第3節では、民間の児童養護施設の管理する記録管理を事例に、社会的養護におけるケアリーヴァーへの記録の提供と必要とされる配慮について考察した。第2章では、ケアリーヴァーに関する記録や記録管理の研究が進む、イギリスやオーストラリアにおける、社会的養護に関する記録の開示の影響と記録のアクセス支援について検証を行った。第1節では、社会的養護で作成される記録がケアリーヴァーのメンタルヘルスやアイデンティティに極めて有益な役割を果たすことを示した。第2節では、イギリスにおいて、記録のアクセスを増加させる契機となったガスキン事件に着目した。社会的養護に関する記録の開示請求に対して、欧州人権裁判所の判決がもたらした変化と、その後のアクセス促進の取り組みについて明らかにした。第3節では、オーストラリアにおいて、社会的養護の記録へのアクセス促進の背景にある、3つのグループ(盗まれた世代、児童移民、忘れられたオーストラリア人)に関する調査報告書から、3つのグループのケアリーヴァーへ記録がもたらした影響と彼らに対する補償問題として提言されたアーカイブズプロジェクトについて考察した。第3章では、イギリス、スコットランドの社会的養護の施設における虐待調査の報告書の分析から、社会的養護における記録管理の課題が、社会や組織の記録管理システムに及ぼした影響について論及した。第1節では、1950年から1995年に施設で起こった虐待の調査で直面した課題を整理し、検討した。報告書で指摘された社会的養護の記録管理に関わる、(1)第三セクター、(2)宗教組織、(3)地方自治体、(4)地方自治体のアーキビスト、四者のアンケート調査結果から、アーキビストと行政の連携の難しさ、記録管理の専門職の配置の遅れなどを指摘した。第2節では、調査報告書で提示された記録管理に関する提言を検証した。第3節では、公文書法で公的機関が提出を義務付けたレコードマネジメントプランが、公的機関の機能を提供する非公的機関にも適用されるようになり、新たな記録管理体制を確立したことに言及した。第4節では、虐待調査の報告書で指摘された課題から、日本の社会的養護に含まれる記録の内容と公文書館への記録の移管の難しさを指摘した。第4章から第6章では、個人情報についての開示と公開の問題を中心に検討し、あわせて、第4章と第6章では、社会的養護の記録管理に関わる専門職の課題について分析した。第4章では、オーストラリアで実施された性的虐待に関する調査から、社会的養護の記録とレコードキーピングの役割について検証するために、オーストラリアアーキビスト協会を中心とした専門職団体の提言について分析を行った。第1節では、調査を行う王立委員会が公表した専門調査報告書で報告された施設における記録管理を改善していくための5原則を検証し、正確な記録の作成や保管が子どもにとって最善の利益となることを明らかにした。第2節では、オーストラリアのアーキビスト協会が、王立委員会の虐待調査に対して公表した記録管理に関する提言から、社会的養護の記録管理についての専門職団体の取り組みについて論究した。第3節では、施設で養育される子どもを記録の対象として見るのではなく、記録の共同作成者としてとらえる新たな見方が提唱されたのを受け、正確な記録管理は、子どもの権利を尊重するだけでなく、虐待の予防や早期発見にも繋がるものであることを確認した。第5章では、日本の社会的養護の選択肢の一つとして関心が高まっている養子縁組の記録管理について、民間の養子縁組あっせん機関の調査と各国の法制度から分析を行った。さらに、その結果を踏まえ、将来的に日本ではどのような記録管理体制が最適であるか、当事者(養子、養父母、実父母)が記録へアクセスする過程で直面する課題について検証した。第1節では、従来の日本の養子縁組制度と記録管理について考察した。日本では第二次世界大戦以降、海外へ渡った養子に関する記録は、廃棄されていることが多く、国も養子としての海外への正確な渡航者数を把握していないことが確認された。第2節では、近年養子縁組特例法を改正し、養子縁組に関する記録や情報を管理する中央養子縁組院を設立した韓国の事例から、養子縁組の記録管理に必要な法律と当事者が記録にアクセスする際の支援体制について分析した。記録の公開については、立場の異なる当事者に合わせて対応し、個人情報の扱いも慎重に行われていることが示された。第3節では、日本で養子縁組のあっせんを行う団体を対象に記録管理とアクセス支援に関する訪問調査を行い、記録管理とアクセス支援の現状と、将来的に記録管理を継続していく上での課題について明らかにした。第6章では、社会的養護の記録へのアクセス過程で、ケアリーヴァーを支援する記録の専門職としてのアーキビストの役割について検証を行った。第1節では、アーカイブズの国際機関である国際公文書館会議が公表したアーカイブズのアクセスの原則とガイダンスについて着目した。原則では、人権を侵害された被害者たちが、彼らの主張をするために必要な記録へのアクセスを認めていた。第2節では、記録の専門職が、社会的養護に関する記録をケアリーヴァーに提供する上で、直面した原則と実践の間の相違について明らかにした。第3節では、社会的養護の記録をケアリーヴァーに提供する際に、アーキビストには、記録に含まれる個人情報への配慮と当事者各々のニーズに合致するサービスの提供が求められることを導出した。終章では、前章までの議論から、社会的養護における記録とアーキビストの役割について再考するとともに、ケアリーヴァーが安定したアクセスを獲得するための支援体制について、提示する。社会的養護に関する記録は、ケアリーヴァーの人生を揺るがしかねないセンシティブな情報が含まれる。そのため、その記録の提供には、記録に含まれる個人情報に配慮して提供するだけでなく、ケアワーカーや心理職などをはじめとする異なる分野の専門家と連携が必要である。結論として、記録の専門家であるアーキビストは、社会的養護の記録とケアリーヴァーの間の介在者であるだけでなく、アクセスによって影響をうける当事者と他の専門職との間の調整役としての役割が求められる。以上、本研究では、日本における社会的養護にかかわる記録管理と、当該記録へのケアリーヴァーのアクセス支援のために必要となる要件と、乗り越えるべき課題と方法を明らかにした。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_description_32":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_10006_dissertation_number_45":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"32606甲第273号"}]},"item_10006_version_type_33":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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