@phdthesis{oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00003859, author = {相場, 大佑 and Aiba, Daisuke}, month = {2014-07-08, 2021-12-09, 2021-12-09}, note = {本論文では、関数解析的な手法を用いることにより、数理物理に現れる偏微分方程式の数学的研究、特に、原子や分子などのミクロな粒子の運動を記述する非相対論的量子力学の基礎方程式であるシュレーディンガー方程式、それに伴うシュレーディンガー作用素、相対論的量子力学の基礎方程式であるディラック方程式、及びそれに伴うディラック作用素についての研究を行った。 本論文は3部から成り、第1章では非自己共役なシュレーディンガー作用素のスペクトル理論、第2章では強力な磁場を伴うシュレーディンガー方程式の初期値問題のユニタリ解作用素の存在と一意性、第3章ではディラック作用素に対するレゾナンスの存在・非存在についての研究を行った。 第1章ではε>0を十分小さいパラメータ、f(x)を実数値モース関数、mを自然数とする時に、二乗可積分関数のヒルベルト空間上で、非自己共役なシュレーディンガー作用素: H(ε) =-Δ+x^{2m}+(i/ε)f(x) (iは虚数単位)のスペクトルについての研究を行った。作用素 H(ε) のスペクトルは固有値のみから成り、ポテンシャルの実部は一定であるにもかかわらず、虚部のパラメータε>0を0へ近付けるとH(ε)の固有値の実部は正の無限大へ発散する。この時に、この固有値の実部の下側からのε>0に関する負のオーダーの評価を与えた。この結果は、m=1の場合における、I.Gallagher, T.Gallay, F.Nier (2009) 3氏による結果を拡張したのもである。第2章ではポテンシャルが時間 t に依存し、強い磁場を伴うシュレーディンガー方程式が一般のd次元の二乗可積分関数のヒルベルト空間上で、一意的なユニタリ解作用素を生成するか否かについての研究を行った。磁場及び電場スカラーポテンシャルが時間に依存しない時、磁場を伴うシュレーディンガー方程式のユニタリ解作用素の存在と一意性は、その作用素の本質的自己共役性と同値であり、本質的自己共役性を保証するための条件として、スカラーポテンシャルの無限遠方での負の方向への増大度が二次関数程度であることが知られている。第2章では、磁場及びスカラーポテンシャルが時間tを固定する時に、強い磁場を伴うシュレーディンガー作用素H(t)が、コンパクトな台を持つ滑らかな関数上で本質的自己共役になるための条件を満たすとする時に、ポテンシャルの導関数に対する適当な条件のもとで、ユニタリ解作用素の存在と一意性の証明をした。特に、スカラーポテンシャルに関して、無限遠方での負の方向へ二次関数以上の増大度が許される。 第3章では、ディラック作用素の散乱理論、初期値問題における解の長時間挙動を解析する上で重要な役割を果たす、連続スペクトルの閾値でのレゾナンスの存在・非存在についての研究を行った。特に、質量が0であるディラック作用素に対して、楳田-斉藤(2008)、Zhong-Gao (2013)による結果を改良し、ポテンシャルに対する仮定が短距離型である時に、レゾナンスが存在しないことを証明した。, application/pdf}, school = {学習院大学, Gakushuin University}, title = {Spectral Analysis for Linear Differential Operators in Mathematical Physics}, year = {}, yomi = {アイバ, ダイスケ} }