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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(理学)
  4. 2013年度

磁性イオンを含むペロブスカイト関連極性酸化物の合成と構造、磁気および誘電特性

http://hdl.handle.net/10959/3529
http://hdl.handle.net/10959/3529
974476fd-262f-4534-82f3-e3e43dd3f6e1
名前 / ファイル ライセンス アクション
abstract_K233.pdf abstract_K233.pdf (222.3 kB)
ref_abstract_K233.pdf ref_abstract_K233.pdf (166.8 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2014-07-08
タイトル
タイトル 磁性イオンを含むペロブスカイト関連極性酸化物の合成と構造、磁気および誘電特性
言語 ja
タイトル
タイトル サンセイ イオン オ フクム ペロブスカイト カンレン キョクセイ サンカブツ ノ ゴウセイ ト コウゾウ ジキ オヨビ ユウデン トクセイ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 相見, 晃久

× 相見, 晃久

WEKO 46977

ja 相見, 晃久

ja-Kana アイミ, アキヒサ

en Aimi, Akihisa

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 現在、機能性酸化物は電子部品、照明などに実用化されている。機能性酸化物の性質は構成元素および構造により決まるため、組成、構造、物性の相関を明らかにすることは新規材料の開発につながる。機能性酸化物に良く見られる構造の一つにペロブスカイト型構造がある。ABO3の組成を持つ斜方晶系ペロブスカイト型酸化物の構造をFig. 1(a)に示す。頂点共有したBO6八面体骨格を持ち、その隙間をAカチオンが占有する。ペロブスカイト型酸化物は、構造を歪ませることで様々なイオンを収容することができ、組成の自由度が大きい。組成の自由度の高さと構造歪みに起因して、圧電性を示すPb(Zr, Ti)O31、強誘電性を示すBaTiO32、イオン伝導性を示すLa2/3-xLi3xTiO33、超伝導性を示すYBa2Cu3O7-δ4、磁気抵抗効果を示す(La, Sr)x+1MnxO3x+15など、様々な機能を持つ物質が見出されており、幅広く研究が行われている。
ペロブスカイト関連構造の一つにLiNbO3型構造がある。LiNbO3型構造は頂点共有したBO6八面体骨格を持つという点で、ペロブスカイト型構造に類似している6。LiNbO3型構造をFig. 1(b)に示す。LiNbO3型構造の大きな特徴として極性を持つことが挙げられる。そのため、LiNbO3型酸化物は極性構造に起因した強誘電性、焦電性、圧電性、非線形光学効果などの性質を示し、学術的、工業的に興味深い物質群である。
また、LiNbO3型酸化物は、ペロブスカイト型酸化物のように多様な組成に起因した様々な物性の発現が期待される。高圧下で合成されるLiNbO3型酸化物には、MnTiO37、MnSnO38、FeTiO39、GaFeO310等磁性イオンを含む物質も存在し、これらは強磁性と強誘電性を併せ持つマルチフェロイクスの候補として考えられる。しかし、常圧で合成できるLiBO3 (B = Nb, Ta)を除き11、LiNbO3型酸化物の物性の研究はほとんど行われておらず、磁気電気相互作用のような複合特性のみならず、磁性や誘電性などの基礎的な物性や構造などもほとんど調べられていない。
そこで本研究ではマルチフェロイクス候補として磁性イオンを含むLiNbO3型酸化物に着目し、MnBO3 (B = Ti, Sn)、Mn(Fe1/2B1/2)O3 (B = Nb, Ta)、Zn(Fe1/2Nb1/2)O3の合成および物性測定を行った。またLiNbO3型MnTiO3-ペロブスカイト型CaTiO3の固溶系の合成を行い、その結果極性を示す新規Aサイト秩序型二重ペロブスカイト酸化物CaMnTi2O6が得られ、この物質の構造解析および物性測定を行った。これらの結果から、ペロブスカイト型関連酸化物における組成、構造、物性の関係を考察した。
2. LiNbO3型MnBO3 (B = Ti, Sn)の磁気電気効果
LiNbO3型MnBO3 (B = Ti, Sn)は、すでにSyonoらにより合成および磁性の報告があるが7,8、マルチフェロイクス候補として着目した研究は行われていない。そこでこれらの物質がマルチフェロイクス候補となることを確かめるため、合成、結晶および磁気構造解析、磁性、比熱と誘電性の測定を行った。
LiNbO3型MnBO3(B = Ti, Sn)はイルメナイト型MnBO3を原料として7.7 GPa、750-800℃、30-120 分の条件で合成した。構造解析から、二次Jahn-Teller活性イオンであるTi4+を含むMnTiO3は、MnSnO3より大きい自発分極を持つことがわかった。磁性測定からMnBO3 (B = Ti, Sn)は低温で弱強磁性を示すこと、その磁気転移温度はそれぞれ28 K、53 Kであることがわかった。また構造解析から、磁気転移温度はMn-O-Mn結合角度に依存することが明らかになった。中性子回折測定による磁気構造解析の結果、磁気格子と化学格子の大きさは一致しており、磁気モーメントはab面内で強磁性的、c軸方向で反強磁性的配列をしていることが示された。誘電率温度依存性の測定から、磁気転移温度において誘電率の異常が観測され、これらの物質が磁気電気相互作用を示すことが明らかとなった。LiNbO3型酸化物において磁気電気相互作用を観測したのは本研究が初めてであり、LiNbO3型酸化物がマルチフェロイクス候補物質であることを明らかにした。3. LiNbO3型MnTiO3単結晶の育成
LiNbO3型MnTiO3では、焼結密度が低く絶縁性が乏しいため強誘電性の確認が出来ていない。そこで絶縁性を向上させ強誘電性を確認することを目的として、LiNbO3型MnTiO3単結晶の育成を試みた。LiNbO3型MnTiO3の単結晶育成に関してKoらによりイルメナイト
型MnTiO3単結晶を原料とした高温高圧処理によるLiNbO3型構造への相転移が既に行われている12。しかし、この方法では約70 μmの非常に小さい双晶結晶しか得られていない。そこで、本研究では育成条件の最適化により、大型のMnTiO3単結晶の育成を試みた。
イルメナイト型MnTiO3単結晶の高温高圧処理および高圧下での融液からの単純固化法により単結晶の育成を行った。また高温高圧下での相転移挙動を調べるために、高温高圧下においてX線回折測定を行った。高温高圧下X線回折測定から、LiNbO3型MnTiO3は高温高圧下でペロブスカイト型構造をもち、常圧まで減圧する際にLiNbO3型構造へ転移することが明らかになった。イルメナイト型MnTiO3単結晶の高温高圧処理では、イルメナイト-ペロブスカイト相転移時に多結晶化してしまい、LiNbO3型MnTiO3単結晶は得られなかった。高圧下単純固化法による単結晶の育成では、7 GPa、1700℃の条件でMnTiO3を融解させ、2.5℃ / minの速度で徐冷することで、1 mmを超えるMnTiO3結晶が育成できた。しかし、得られた結晶はクラックが多く、強誘電性の確認は出来なかった。
4. LiNbO3型Mn(Fe1/2B1/2)O3 (B = Nb, Ta), Zn(Fe1/2Nb1/2)O3の合成、構造および物性
MnBO3 (B = Ti, Sn)は磁気電気相互作用を示したが、磁気電気相互作用が発現する温度がMnSnO3で53 K以下と非常に小さい。そこで、磁気特性の向上を目指し、磁性イオンが含まれるサイトに着目し、新規LiNbO3型酸化物の合成を行い、構造および物性を調べた。Mn(Fe1/2B1/2)O3はA、B両方のサイトに、Zn(Fe1/2Nb1/2)O3はBサイトにのみ磁性イオンが含まれる。
高圧合成の結果、空間群R3cに属しLiNbO3型構造を持つ新規相が得られた。磁性測定の結果、A、B両方のサイトに磁性イオンを含むMn(Fe1/2B1/2)O3 (B = Nb、Ta)はそれぞれ約170、150 K以下で弱強磁性を示した。一方Bサイトにのみ磁性イオンを含むZn(Fe1/2Nb1/2)O3は低い磁気転移温度を示した。得られた結果から、A、B両方のサイトに磁性イオンを含むことで、高い磁気転移温度をもつ物質の設計が可能であることがわかった。またMn(Fe1/2B1/2)O3 (B = Nb, Ta)はどちらも低温で弱強磁性の消滅というスピンフロップ転移的な挙動13を示した。
5. Aサイト秩序型二重ペロブスカイトCaMnTi2O6の合成と構造、強誘電性
LiNbO3型MnTiO3は絶縁性の低さと大きい抗電場により強誘電性の確認が出来ていない。マルチフェロイクス全般に言えることだが、磁性イオンを含む物質は価数の変わりやすさと欠陥のできやすさに起因してリーク電流が生じやすい。そこで絶縁性の向上を目的として、MnTiO3-CaTiO3固溶系の合成を試みた。Ca2+は非磁性イオンであるため、磁性イオンに起因する電気伝導の寄与が小さくなると考えられる。またイオン半径がMn2+に比べて大きいことから、格子が広がりTiが変位するスペースが大きくなり抗電場が小さくなると予想される。
CaTiO3とMnTiO3を原料に用い、7.7 GPa、1200℃、30分の条件で高圧合成を行ったとこ
ろ、CaMnTi2O6の組成で格子定数a = 7.5376(7) A、c = 7.6002(12) Aをもつ正方晶系新規相が得られた。そこでCaMnTi2O6の構造解析および誘電性、磁性、第二高調波発生(SHG)、示差走査熱量測定(DSC)を行った。そしてSHG測定と単結晶X線構造解析によりCaMnTi2O6は極性空間群P42mcに属し、AサイトカチオンであるCaとMnが1次元的に秩序化したペロブスカイト型構造をもつことを明らかにした。Mn2+はシフトした平面4配位と四面体配位という二種類の配位環境をとる。この空間群に属する酸化物は他に見つかっておらず、この構造は本研究で初めて見出された新規構造である。構造パラメータから計算した自発分極は24 μC / cm2となり、代表的なペロブスカイト型強誘電体であるBaTiO3の自発分極(18 μC / cm2)を上回った。P-Eヒステリシスループ測定から、この物質が室温で強誘電性を示すことが明らかとなった。誘電率、SHGおよびDSCの温度依存性から、630 Kにおいて強誘電-常誘電二次相転移が起こることが示された。常誘電相ではCaMnTi2O6は空間群P42/nmcに属し、平面4配位のMnのシフト方向の秩序化に由来する秩序無秩序型強誘電相転移があることがわかった。CaMnTi2O6の極性の起源に関して、TiO6八面体中でのc軸方向へのTiのシフトおよび平面4配位のMnのc軸方向へのシフトの秩序化がその要因であることが示された。既存のAサイト秩序型ペロブスカイト酸化物では、Aサイト秩序とBサイトカチオンのシフトが反強誘電的にカップリングするため極性は生じない。Aサイト秩序とBサイトシフトの協奏という強誘電性発現機構は本研究で初めて見出された。本研究ではマルチフェロイクス候補として磁性イオンを含むLiNbO3型酸化物に着目し、MnBO3(B = Ti, Sn)が磁気電気効果を示すこと、A、Bサイト両方に磁性イオンを含む場合高い磁気転移温度を示すことを明らかにした。そして新規Aサイト秩序型ペロブスカイト酸化物CaMnTi2O6を見出し、この物質が強誘電性を示すことを明らかにした。ここでAサイト秩序とBサイトシフトの協奏というこれまでにない強誘電性発現機構が明らかになった。これらの結果は高い磁気転移温度を持ち強誘電性を示すマルチフェロイクスの設計指針として有用である。
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
著者版フラグ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(理学)
学位名(英)
言語 en
学位名 Doctor of Science
学位授与機関
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
学位授与機関(英)
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2014-03-31
学位授与番号
学位授与番号 32606甲第233号
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Ver.1 2023-05-15 15:05:01.929347
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