{"created":"2023-05-15T14:23:12.334677+00:00","id":3855,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"30eb83f3-d4de-44f0-99e5-ecadee217036"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"3855","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3855"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00003855","sets":["1253:135:143:1288"]},"author_link":["46893"],"item_10006_date_granted_44":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2014-03-08"}]},"item_10006_degree_grantor_42":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"学習院大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"32606","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_10006_degree_grantor_49":{"attribute_name":"学位授与機関(英)","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Gakushuin 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『大鏡』に対して『栄花物語』では、貴人の身体についても〈語り〉の対象とし、かつ貴人の品位に瑕をつけることなくその身体を語っている。その際に用いられたのは、〈語り手〉が、貴人のまなざしの動きに〈語り〉を沿わせるという方法であった。(第一章)\n 『大鏡』では、貴人の女性の身体は、しばしば批判の弁とともに語られる。その際、直接批判を受けるのは「女性が女ながらに才を持つこと」であり、藤原道隆の三女のように、身体そのものは、才ある女性の奇行によって晒される。道隆三女への批判の背景には、当然藤原道長と道隆の政治的対立を念頭に置く必要があるが、『大鏡』では、「才」という覆いをかけた上で、批判を加えるという方法を取っている。(第二章)\n 『栄花物語』『大鏡』『今鏡』が成立した平安時代後期は、藤原道長の御堂流が確立し、藤原氏の中の摂関家の意味が問われる時代でもあった。『今鏡』は、道長の御堂流を始発に置き、「藤波上・中」二巻を用いて摂関家の列伝を展開している。『今鏡』の語りの現在となっている嘉応二年(一一七〇)三月は、後白河法皇と平清盛の蜜月ともいえる時期であり、七月には松殿基房の従者が清盛の孫・資盛の車に狼藉を働き、十月には報復の襲撃を受けるといういわゆる殿下乗合事件が起こっており、藤原摂関家の将来は盤石といえる状態ではなかった。そのような状況下で『今鏡』が、近衛家松殿家を言祝ぐことの意味を考察した。(第三章)\n 平安時代末期から鎌倉時代にかけて、女性を中心に享受されてきた歴史物語は、男性官人の中では、「ヨキ事」のみ記された「雑文」とされながらも、世のあり方、歴史の一側面を知る材料として受け入れられた。第四章では、歴史物語自身がどのように、虚実の折り合いをつけていったかを論じている。\n\n 第二部では、『今鏡』の〈歴史の語り手〉あやめと、その養い子・五節命婦設定、また観音信仰と語り手設定との関連を経て、鏡物の中における語り手設定の意味を論じた。\n 『今鏡』の〈歴史の語り手〉の設定は、これまで歴史叙述との関連が薄く意味をなしていないと評されており、検討されてこなかった。『今鏡』は、仏教・漢詩文・管弦・和歌の逸話を歴史語りの重要な要素として取り扱っており、〈歴史の語り手〉は、それらに通じながら、さらに書物からではなく耳で逸話を継承した人物として「設定」される必要があった。『今鏡』がどのように、女ながらに和歌漢詩に通じ、宮中を見聞きしたあやめという人物を造型したのかを、『新撰朗詠集』引用を中心とした漢詩句の引用の記事から考察した。(第五章)\n 『今鏡』の巻頭には、あやめが、五節命婦と主殿のみやつこという子を養ったとの記述がある。『今鏡』の成立した後白河院政期の読者にとって、「琴のつまなら」す「五節命婦」の語は、後朱雀天皇の麗景殿女御(藤原延子)に仕え、箏の琴の名手として伝説化していた〈五節命婦〉を想起させるものである。〈五節命婦〉の名は『蓁箏相承血脈』『古事談』『十訓抄』に見え、藤原頼宗流の宗俊との師弟関係が認められ、「五節命婦」が箏のことをつまならし語った、「うちわたりの事」「世の事」とは、頼宗流の管弦の逸話であった。(第六章)\n 第七章では、第五章で検討したあやめと紫式部との設定を、『今鏡』の三十三の構成と観音信仰の面から補足した。『今鏡』には成立時に付された十巻七十九章段の区切りとは別に目録や一部の諸本にのみ見られる三十三の区切りが存在する。この区切りについてはこれまで検討されてこなかったがが、『今鏡』の十-七九「作り物語の行方」にみえる法華経普門品の観念と、紫式部の観音の応現説と語り手設定を結びつけ考察した。\n 第八章では、〈歴史の語り手〉の記憶と語りの機能について論じた。『大鏡』の世継による、書物に頼らず「耳」で情報を収集・蓄積、自らの内面で組み替えた上で歴史語りとして吐き出す方法は、摂関期から院政期初期にかけて文学作品にみえる〈古典知〉同様のシステムを用いながらも、あくまで、「設定」であり、「装い」である。『大鏡』の歴史語り挿入される五時教と〈歴史語り〉の対応関係から、『大鏡』における〈語り〉と〈声〉の意識を読み取ることができる。この観念は、第四章で述べた虚実の概念とも結びつくものであり、歴史物語自身の〈語り手〉と〈語り〉の概念を比較検討した。\n","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_description_32":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_10006_dissertation_number_45":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"32606甲第235号"}]},"item_10006_version_type_33":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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