{"created":"2023-05-15T14:23:12.152709+00:00","id":3852,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"258ffc68-3e94-40db-a658-9d2a040f3c88"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"3852","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3852"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:00003852","sets":["1253:135:143:1288"]},"author_link":["46902","46903"],"item_10006_date_granted_44":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2014-03-08"}]},"item_10006_degree_grantor_42":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"学習院大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"32606","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_10006_degree_grantor_49":{"attribute_name":"学位授与機関(英)","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Gakushuin 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『源氏物語』は、ストーリーを口頭で聞き手に語るという形態を取っていながら、つまり話し言葉を基盤としながらも、書かれた文字が読まれることを意識して成立している物語と考えられる。朗読のための台本などでは決してないのである。それゆえに、詳細に言葉が吟味され、書き分けられることによって、物語内の一つ一つの事柄、登場人物一人一人の心情、その場その場の雰囲気を克明に描き出し、さらには物語の世界観をも特殊な言葉の採用や独特な言葉の使い分けによって創り上げられたと思われるのである。『源氏物語』は王朝世界という狭い空間で、男女の恋物語を描いた作品である。同じような状況、同じような場面、同じような男女の心の動きが繰り返される。しかしながらその都度その都度に異なった表現方法が用いられ、場面ごとに微妙な差異が演出されているのである。『伊勢物語』のように「昔男ありけり」のようなパターン化された言い回しや、『平家物語』のように同じような節回しによる物語の進行を潔しとはしなかったのである。\n であるならば我々享受者は書かれた言葉の一語一語を丁寧に読み解き、言葉を単なる「こと」「もの」を伝える道具としてだけでなく、物語がそれぞれの言葉に担わせた役割についてまでも理解することが必要とされるのではないだろうか。このような問題意識により、『源氏物語』における特徴的な言葉をいくつか取り上げて、その一つ一つを読み解き、書き分けられた言葉づかいの違い、あるいはあえて互換的に用いられた言葉づかいの意味等を考察していくことに研究上の意義を見出し、本論文の趣旨とした。\n \n 方法としては、源氏以前の主要なかな文学作品には用例が見出せない、いわゆる源氏初出語、あるいは初出語ではないが、源氏以前にはきわめて些少な用例しか見出せないが、物語内に大量に取り込んでいる語を抽出して、その中からいくつかの言葉に注目した。そして、それぞれの言葉が物語内部で果たす特別な役割を考察した。\n 第一章では、この抽出作業によりいかに多くの言葉が源氏初出語として物語内で活用されているかについて言及する。そして『源氏物語』において特殊に使用されていると思われる言葉について検討して、本論文で取り扱うべき言葉を選び出した。\n 第二章では、「笑い」を表現する言葉に着目し、その中から「ほほゑむ」という言葉を中心に取り上げて、その意味について論じた。特に、同類語と思われる「ゑむ」との違いを分析して、何故に「ほほゑむ」と「ゑむ」は書き分けられなければならなかったか、という観点から論を進めた。\n 第三章では、「泣き」を表現する言葉に着目し、「泣く」に代表される有声の表現と、「涙」に代表される無声の表現とがどのように物語内で活用されているかについて分析した。また同じ「涙」系の泣きでも、自動詞「涙落つ」と他動詞「涙落とす」がどのように書き分けられているかについて分析した。\n 第四章では、嗅覚と視覚を表現する「かをる」と「にほふ」という同類の言葉を取り上げ、この二つの言葉の差異、互換性について検討した。さらにこの二つの言葉がニックネームとして薫と匂宮という人物に転用されたことを重要と考えて、その互換性の持つ意味についてさらに掘り下げて検討した。\n 第五章では、女性の容態を描写する「あえか」という言葉を取り上げた。「あえか」は源氏初出語であるが、物語内のどのような登場人物に形容されているかという観点を中心に分析し、さらにその対蹠語「にほひやか」などの言葉を踏まえながら、その意味する概念について考察した。\n 第六章では、「いつかし」、「~顔なり」、「かろがろし」、「涙落とす」という四つの表現を取り上げて、これらの表現の果たした役割を考察した。四つの表現とも、主人公である光源氏と密接に関わり合っていることを分析して、光源氏の絶対性を示唆するために活用された表現ではないかと位置付けた。\n 第七章では、「おそろし」、「そらおそろし」、「はづかし」、「そらはづかし」、また「おほけなし」という言葉に着目して、これらの言葉が使用されることにより、登場人物たちがどのような罪と恥の意識を抱いていたかを分析する。また、「人笑へ」、「人笑はれ」という言葉が「恥」を表現する言葉として大量に活用された意味を探り、特に浮舟の恥の意識との関わりを分析した。\n \n 繰り返すが、これらの言葉は単に「もの」、「こと」を物語享受者に伝える道具には留まらず、物語に内在する「もの」・「こと」の「ありよう」(概念)を物語内で確立させたり、世界観をも構築する機能を果たしたといえるのである。そしてこれらの「ありよう」や世界観の本質を、物語の外部に表出させる重要な役割をも担った。まさにこれらの言葉が『源氏物語』を現象させているのである。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_description_32":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_10006_dissertation_number_45":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"32606甲第237号"}]},"item_10006_version_type_33":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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