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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(理学)
  4. 2024年度

ゼニゴケ頂端分裂組織におけるMpCLE2ペプチドシグナルの作用機構の解析

http://hdl.handle.net/10959/0002003262
http://hdl.handle.net/10959/0002003262
313cc47b-a7fe-4732-a893-66d33fd579a3
名前 / ファイル ライセンス アクション
thesis_K340.pdf thesis_K340.pdf (6.5 MB)
abstract_K340.pdf abstract_K340.pdf (179.6 KB)
ref_abstract_K340.pdf ref_abstract_K340.pdf (250.1 KB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2025-08-29
タイトル
タイトル ゼニゴケ頂端分裂組織におけるMpCLE2ペプチドシグナルの作用機構の解析
言語 ja
タイトル
タイトル ゼニゴケ チョウタン ブンレツ ソシキ ニオケル MpCLE2 ペプチド シグナル ノ サヨウ キコウ ノ カイセキ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 高橋, 剛

× 高橋, 剛

ja 高橋, 剛

ja-Kana タカハシ, ゴウ

en Takahashi, Go

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 植物は固着性の体制を持ち、各個体が特定の場所で一生を過ごす。そのため、植物は反復して器官形成をおこない、固着した場所に適応した形態を作り上げる。反復的な器官形成能は、植物体の頂端部分に維持される分裂組織の活動によっている。分裂組織には幹細胞が含まれ、未分化な状態を保持しつつ、新たな器官を形成する細胞を供給している。分裂組織は幹細胞の増殖と器官形成のための細胞の供給とのバランスを制御することで、幹細胞の数 (幹細胞領域サイズ) を維持し、植物体の成長の源となっている。
分裂組織の幹細胞領域サイズはCLE (CLV3/ESR-related) ペプチドホルモンを介した細胞間コミュニケーションによって調節されている。被子植物では、茎頂分裂組織中の幹細胞領域サイズを減らす活性を持つCLV3ペプチドホ ルモンと、幹細胞数を増やす働きを持つWUS (WUSCHEL) 転写因子の負のフィードバックにより、茎頂分裂組織中の幹細胞領域サイズが一定に保たれている (Brand et al., 2000; Schoof et al., 2000)。一方で、コケ植物のゼニゴケでは、MpCLE2ペプチドホルモンが分裂組織中の幹細胞領域サイズを増加させる活性を持ち、被子植物のCLV3とは逆の活性となっている (Hirakawa et al., 2020)。これより、ゼニゴケのMpCLE2と被子植物のCLV3は異なる標的遺伝子の調節によって分裂組織活性を調節することが示唆された。
近年、シロイヌナズナにおいて幹細胞領域サイズを増やす働きを持つAtCLE40ペプチドホルモンが報告された (Schlegel et al., 2021)。AtCLE40シグナル伝達はCLV3とは独立に働くことから、MpCLE2とAtCLE40の幹細胞領域サイズを増やす経路が陸上植物に普遍的であるというモデルが提唱された (Hirakawa, 2022)。植物における普遍的なCLEペプチドの機能やその進化を解明するには、MpCLE2やAtCLE40シグナルの標的遺伝子を解析し、系統間で比較解析することが重要と考えられる。
本研究ではCLEペプチドが頂端分裂組織の幹細胞を増やす分子機構を解明することを目的として、MpCLE2の受容におけるLRR型受容体様キナーゼMpCIKの機能解析、MpCLE2シグナルの標的遺伝子の探索、ならびに発見した標的遺伝子の機能解析をおこなった。
結果と考察
第1章 MpCLE2の受容におけるLRR型受容体様キナーゼMpCIKの機能
シロイヌナズナのCLV3ペプチドはCLV1受容体とCIK共受容体の複合体を介してシグナル伝達を行う (Hu et al., 2018)。ゼニゴケのMpCLE2シグナルでは、CLV1ホモログのMpCLV1が受容体として働くが、CIKホモログの関与は明らかではなかった。当研究では、分子系統解析により同定したCIKホモログ遺伝子をMpCIKと命名して、MpCLE2ペプチドシグナルへの関与を解析した。CRISPR/Cas9により獲得したMpCIKノックアウト株ではMpCLE2ペプチドホルモンの応答性が失われていることを明らかとした。共免疫沈降による相互作用解析から、MpCLV1とMpCIKはわずかに相互作用していることが示唆された。これらの結果より、MpCIKはMpCLE2シグナルに必要不可欠な因子であり、MpCLV1との相互作用を介してMpCLE2ペプチドを受容する働きを持つと考えられる。
第2章 RNA-seqによるMpCLE2シグナル標的因子の探索
MpCLE2シグナルの標的遺伝子を探索するため、野生型、MpCLE2異所発現株、MpCLV1ノックアウト株、MpCIKノックアウト株を比較するトランスクリプトーム解析を実施した。この結果、MpCLE2異所発現株で特異的に発現変動する転写因子を4遺伝子、MpCLV1およびMpCIKノックアウト株で特異的に発現変動する転写因子を1遺伝子発見した。これらの転写因子は全て頂端分裂組織周辺で発現が確認されたため、これら5つの転写因子をMpCLE2シグナル標的遺伝子候補とした。
第3章 MpNAC6/JINGASA転写因子による幹細胞領域の細胞アイデンティティーの調節
MpCLE2標的遺伝子候補の中でも、MpNAC6/MpJINGASA (MpJIN) の発現量はMpCLE2異所発現株で顕著に減少していた。CRISPR/Cas9により獲得したMpJINノックアウト株はMpCLE2ペプチドに対する反応性が高まっていた。また、MpJINノックアウト株の幹細胞領域サイズは増加しており、MpJINはMpCLE2シグナルの下流で幹細胞領域サイズを負に調節することが考えられた。
プロモーターレポーター解析により、MpJINの発現は幹細胞領域の中央付近では検出されず、側方にある細胞群で強まるというパターンが見られた。特に、幹細胞領域の外側で表皮と平行な方向の細胞分裂 (並層分裂) が生じた細胞で蛍光が強かった。MpJINの発現誘導株では、幹細胞領域に異所的な並層分裂が生じた。これらの結果より、MpJINは幹細胞領域の周辺で高発現し、並層分裂を促すことで幹細胞領域サイズを調節していることが示された。
第4章 MpERF14転写因子による杯状体・無性芽形成の制御機構
MpCLE2標的遺伝子候補のMpERF14の発現量はMpCLE2異所発現株でわずかに減少していた。CRISPR/Cas9により獲得したMpERF14ノックアウト株では、クローン個体の無性芽と、無性芽を貯蔵する杯状体が形成されなかった。これより、MpERF14はMpCLE2シグナル下流で杯状体及び無性芽形成を制御する因子であることが示唆された。
MpERF14過剰発現株の表現型解析より、長期的な過剰発現の誘導では小さく未熟な葉状体が形成され、一過的な発現誘導では無性芽様の構造が形成されることが分かった。この無性芽様の構造は野生型の無性芽と同様に、親個体から脱離し、クローン個体として成長することができた。したがって、MpERF14は無性芽の発生に必要十分な因子であり、無性芽への発生運命を決定する役割を持つことが示唆された。
参考文献
Brand, U., Fletcher, J.C., Hobe, M., Meyerowitz, E.M. and Simon, R. (2000). Dependence of stem cell fate in Arabidopsis on a feedback loop regulated by CLV3 activity. Science. 289:617-619.
Hirakawa, Y. (2022). Evolution of meristem zonation by CLE gene duplication in land plants. Nat Plants. 7:735-740.
Hirakawa, Y., Fujimoto, T., Ishida, S., Uchida, N., Sawa, S., Kiyosue, T., Ishizaki, K., Nishihama, R., Kohchi, T. and Bowman, J.L. (2020). Induction of Multichotomous Branching by CLAVATA Peptide in Marchantia polymorpha. Curr Biol. 30:3833-3840. Hu, C., Zhu, Y., Cui, Y., Cheng, K., Liang, W., Wei, Z., Zhu, M., Yin, H., Zeng, L., Xiao, Y., Lv, M., Yi, J., Hou, S., He, K., Li, J. and Gou, X. (2018). A group of receptor kinases are essential for CLAVATA signalling to maintain stem cell homeostasis. Nat Plants. 4:205-211.
Schlegel, J., Denay, G., Wink, R., Pinto, K.G., Stahl, Y., Schmid, J., Blümke, P., Simon, R.G. (2021). Control of Arabidopsis shoot stem cell homeostasis by two antagonistic CLE peptide signalling pathways. Elife. 10:e70934. Schoof, H., Lenhard, M., Haecker, A., Mayer, K.F., Jürgens, G. and Laux, T. (2000). The stem cell population of Arabidopsis shoot meristems in maintained by a regulatory loop between the CLAVATA and WUSCHEL genes. Cell. 100:635-644.
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
出版タイプ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(理学)
学位名
言語 en
学位名 Doctor of Science
item_10006_degree_grantor_42
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
item_10006_degree_grantor_49
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2025-03-31
dissertation_number
学位授与番号 32606甲第340号
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Ver.1 2025-08-29 09:41:17.729938
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