{"created":"2025-08-29T09:40:27.514684+00:00","id":2003256,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"f95a8a10-8f6b-4a8f-ab19-295e099097a0"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"2003256","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2003256"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:glim-re.repo.nii.ac.jp:02003256","sets":["1253:135:146:1756453545054"]},"author_link":[],"item_10006_date_granted_44":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2025-01-23"}]},"item_10006_degree_grantor_42":{"attribute_name":"item_10006_degree_grantor_42","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"ja","subitem_degreegrantor_name":"学習院大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"32606","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_10006_degree_grantor_49":{"attribute_name":"item_10006_degree_grantor_49","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_language":"en","subitem_degreegrantor_name":"Gakushuin 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第4章と第5章の考察は、第3章の結論を補強するものとなっている。第4章「登場人物と場面設定の意味―『テアゲス』と『カルミデス』の比較―」では、『テアゲス』と『カルミデス』の両作品に登場しているカルミデスの描かれ方に注目することで、『テアゲス』にカルミデスが登場している意味を探った。その結果、カルミデスは哲学へと適切に導かれなかった人物として描かれており、このことが逆説的に、テアゲスが哲学へと成功裏に導かれたことを示しているだと主張した。つまり『テアゲス』に登場するカルミデスは、テアゲスという人物の特性を引き立たせるための装置なのである。そしてこの結論から、『テアゲス』の著者は、『テアゲス』という作品が持つプラトン哲学入門としての機能を高めようとしていると論じた。\r\n第5章「人間の限界とダイモニオン―『テアゲス』(128D1–129D8)の解釈―」では、『テアゲス』で描かれているダイモニオンの逸話に焦点を当て、この箇所でのダイモニオンの役割を論じた。従来、当該箇所でのダイモニオンは、プラトンのその他の対話篇からの逸脱とみなされていた。しかし本章では、こうした従来の見解を批判する。そして、『テアゲス』で描かれているダイモニオンは、その他のプラトン対話篇と整合的に解釈可能であると主張した。特に、ティマルコスが死刑になった理由の説明に際して言及されるダイモニオンは、その超越的能力の不安定性が強調されているのではなく、ソクラテスが持つ人間としての限界を超えさせないことを意図したものであると解釈した。この解釈により、『テアゲス』で描かれているソクラテスは、プラトンが描いたのと同じ、哲学者としてのソクラテスであると明らかにした。\r\n第6章「哲学することと神的存在―アリステイデスの逸話とθεία μοῖραの意味―」では、『テアゲス』解釈における最大の争点の一つである、アリステイデスの逸話の意味を考察した。\r\n従来、当該箇所は『テアゲス』の著者が『テアイテトス』および『饗宴』を曲解した場面であるとして、顕著に非プラトン的とみなされてきた。しかし本章では、それらの従来の解釈を退け、アリステイデスの逸話を新たに解釈することを試みた。本章で注目したのは、ソクラテスがダイモニオンの説明を導入する際に用いた「神の定め」(θεία μοῖρα)という語である。θεία μοῖραという語はその他のプラトン対話篇でも使用されている。この語の意味の一つには、「人間のコントロールを超えたもの」というものがある。ここでの「人間のコントロールを超えたもの」に、哲学ならびにその実践が含まれるというのが、本章の解釈である。その上で、『テアゲス』の著者は、ダイモニオンがソクラテス以外の他者にも現れうることおよび、ソクラテスから他者へとダイモニオンが伝播していく可能性を描くための原理として、θεία μοῖραという語を用いたのだと論じた。その結果、アリステイデスの逸話は、こうしたθεία μοῖραの作用に与れなかった人物による、失敗談としての意味を持っているのだと結論付けた。\r\n第7章「哲学の勧めと神的存在―『エウテュデモス』におけるダイモニオンの出現について―」では、『テアゲス』そのものの解釈からは離れ、『エウテュデモス』に現れるダイモニオンの解釈を行った。『エウテュデモス』には『テアゲス』同様に、その他のプラトン対話篇からは逸脱していると思しきダイモニオンの描写が存在する。それゆえに、『エウテュデモス』でのダイモニオンに積極的な解釈がなされることは少なく、その重要性は割り引かれてきた。本章では『エウテュデモス』におけるダイモニオンもまた、『テアゲス』を含んだその他のプラトン対話篇と同様に、ソクラテスの行為の正不正に関わっていると解釈した。さらに、この解釈を前章までの『テアゲス』解釈と結びつけることにより、ソクラテス以外の人間にも、ソクラテスと同様に、ダイモニオンと共に哲学する可能性が開かれているのだと結論付けた。\r\n以上のように本論文は、『テアゲス』に真偽判定を下すことを積極的に保留することで、真偽問題という既存の枠組みそのものを批判しつつ、『テアゲス』の内在的解釈によって、『テアゲス』の著者が『テアゲス』をプラトン哲学入門として描いていることを明らかにした。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_description_32":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_10006_dissertation_number_45":{"attribute_name":"dissertation_number","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"32606乙第184号"}]},"item_10006_version_type_33":{"attribute_name":"出版タイプ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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