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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(アーカイブズ学)
  4. 2024年度

戦後日本企業のアーカイブズ構築に関する基礎的研究 : 山一證券を事例として

http://hdl.handle.net/10959/0002002999
http://hdl.handle.net/10959/0002002999
9c79e3e6-ec76-4722-a5ed-7fa5f932f40e
名前 / ファイル ライセンス アクション
abstract_K331.pdf abstract_K331.pdf (310.0 KB)
ref_abstract_K331.pdf ref_abstract_K331.pdf (330.5 KB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2024-12-04
タイトル
タイトル 戦後日本企業のアーカイブズ構築に関する基礎的研究 : 山一證券を事例として
言語 ja
タイトル
タイトル センゴ ニホン キギョウ ノ アーカイブズ コウチク ニ カンスル キソテキ ケンキュウ ヤマイチ ショウケン オ ジレイ トシテ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 金本, 弘之

× 金本, 弘之

ja 金本, 弘之

ja-Kana カナモト, ヒロユキ

en Kanamoto, Hiroyuki

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 民間企業の保有する記録は、近年の日本においてその管理とアクセスが前進しつつある公文書と同様に、政治・行政のみならず、経済や社会の活動を含めた総体的な理解を促し、ある時代の実相を後世に伝えるアーカイブズの形成に不可欠である。本研究はそのような認識を起点に戦後の山一證券が残した記録をアーカイブズとして構造的に理解し、関係する機関の資料とのかかわりを明らかにしながら、アクセスのための編成とメタデータ記述の実践例を提示すること通じて、広く適用可能な企業アーカイブズの構築に向けた基礎的な方法論を考察したものである。
序章では、わが国におけるアーカイブズ研究の推移を概観しながら、特に民間企業の保有する記録に対するアーカイブズ学の視点からの研究や編成記述の実践例が乏しい現状を指摘した。その要因として、第三者から企業の内部に蓄積された資料にたどりつくのが容易でないことや、企業が蓄積した記録をアーカイブズとして利用するイメージや組織構造との関わりについての基礎的な理解が企業側や利用者側にも未だ定着していないこと等を挙げた。課題解決のための方法として、戦後の山一證券を事例に、同社の記録管理システム、同社の機能と記録の性格、外部機関の記録との関係性を考察し、同社を出所とする未確認の記録を含めた記録群の総体を「山一證券アーカイブズ」として、その全容を示し、アクセスを導くための記述を試みる必要性を述べた。
第1章では、本研究の素材として使用した東京大学経済学図書館所蔵「山一證券資料(第1期資料)」の特徴(出所・来歴・構造)を分析し、同社の組織構造とその機能を明らかにした。同社の組織は、「本社部門」と「営業部門」に大別したうえで、「本社部門」はさらに経営層に対する補佐や会社業務全般に対する管理を行う「全社的スタッフ部門」と証券業務に関する商品について「営業部門」を支援する「営業支援部門」から構成される。現時点で第三者がアクセスできる「第1期資料」は、同社の「企画室」や「社史編纂室」で収集・保存した記録を出所・来歴としていることから、「全社的スタッフ部門」の経営に係る記録が体系的かつ豊富に収録されている一方で、「営業支援部門」や「営業部門」の記録はあまり収録されていないことを解明した。
第2章では、企業記録の保存の経緯を理解するために不可欠な同社の記録管理システムについて、その成立の背景と内容、変遷、運用実態を考察した。同社は1961年に最初の記録管理のルールである「文書取扱要領」を制定し、「文書保存期間一覧表」で示した文書類型と保存期間の設定は、その後の同社の記録管理に影響を与えた。一方で、「その他一般」の文書類型として、社史編纂を想定した類型を規定し、「常務会」や「部店長会議」などの重要会議議事録もこの類型の中で永久保存とするなど、社史編纂にも一定の理解を示していたことに独自性が認められる。ただ、このような社史編纂についての意識が芽生えつつも、社史資料としての保存が「情報化時代」における事務の合理化と十分に整合しないと考えられたことで、担当部門へ移管し、アーカイブズを構築するような道が拓かれることはなかったことを明らかにした。
第1章と第2章は、同社の組織構造や機能、記録管理システムの把握を目的としたものであり、これらにより得られた知見を本研究の基礎として、第3章から第6章までは、同社の企業活動のプロセスごとに、その機能と記録の性格について詳細に考察を加えた。
 第3章では、企業の意思決定に関わる記録について、同社の「常務会」の運営と稟議制との関わりに着目し、同社の意思決定の仕組みや意思決定に係る記録相互の関係性を考察した。同社は、1965年6月に稟議制を導入したが、主に日常的な業務執行に関わる事項を対象とし、最終的には「常務会」で決裁していた。一方、「常務会」の付議事項にはこの他に、「構成員付議事項」として経営方針の策定などの戦略的な事項も対象としており、稟議が唯一の事案決定手続ではなかった。同社の意思決定システムは、「取締役会」を形式的には最上位の意思決定機関としつつも、基本的には「常務会」が実質的な機能を担っていた。「常務会議事録」の記述内容をみていくと、時代が下るにしたがって、その運営も議論中心から報告中心に移行していることが確認された。その背景として、経営環境の変化による「常務会」の前段階での事前調整の増加などが考えられる。同社の事例を通じて、企業の意思決定過程の把握のためには、意思決定機関の運営状況の変化に注意を払いつつ、その前段階の検討・調整会議体に係る記録も一体的に理解していく必要があることを明らかにした。
第4章では、第3章で見た企業の意思決定に関する情報が、企業内でどのように伝達・共有されたか、そのコミュニケーション手段を整理しながら、同社の2つの社内報を事例に、その性格と価値を考察した。同社の2つの社内報はそれぞれ異なる編集方針を持っていたが、相互に補完しながら、同社の「基幹文書」(書簡・通告・通達・部店長会議資料)などの他のコミュニケーション手段を補完する機能を発揮していたことや、一種のドキュメンテーション機能により有意義な情報を含み、他の記録・アーカイブズの関係性を説明する資料となることを実例で示し、「社内報」を保存・利用する意義を明らかにした。一方で、同社の自主廃業の原因となった重大な経営情報(簿外債務の存在)について共有されることがなかったように、社内報は、当時の経営陣の意向によって記事の内容が操作・反映されるという記録としての限界性も持っていることを指摘した。
経営部門で意思決定された営業方針等が社内で伝達・共有されたのち、営業活動が具体的に実施されることになる。そこで第5章では、同社の「企業収益の根幹」と位置づけられていた「支店営業部門」の営業活動に焦点を当て、営業活動に係る機能や記録の性格を考察した。「第1期資料」には、「支店営業部門」に係る記録がほとんど残されていないものの、営業活動に係る法規制や業界団体の自主ルール(以下、法規制等)や、同社が自主的に規定した社規・令達を精査することを通じて、同社の営業活動の具体的な機能や記録の性格の把握が可能となることを明らかにした。さらに、外部の目による営業活動の実態評価の手段として位置づけられる大蔵省検査に係る記録の分析を通じて、法規制等に基づく法定帳簿などの「静的な記録」だけではなく、法規制等が実際にどのように運用されているかを把握するため、当局と証券会社の間で取り交わされた「動的な記録」も営業活動に係る記録として重要な意義を持つことを明らかにした。
第6章では、第5章で実施される営業活動とその成果について、社外への説明責任を果たすために、公式に発信する広報活動(広告宣伝、企業情報開示)に着目し、その活動に影響を与えた規制・規範や同社の社外広報の所管部署の変遷や機能、発生する記録の性格について考察した。同社は、1982年9月に「広報部」(1986年2月「広報室」に改称)の設置以降、広報活動の効率化が進み、広報活動の目的・手段・対象にも広がりを持つようになったが、「広報部」は、窓口としての調整機能を果たすのが主な役割であった。同社の経営に重大な影響を与えるような折衝の窓口は依然として「企画室」が対応し、専門的な説明を必要とする社外広報の主体も引き続き、本社の各所管部署が担っていた。このことから、同社の「広報部」設置以降の社外広報活動に係る記録を把握する際は、「広報部」設置前と同様に、「広報部」で保存されている記録だけでは不十分で、社外広報を実施した際に連携した各所管部署の作成・保存した記録にも注目する必要がある。さらに、社外広報は、経営陣の開示姿勢により一定の限界を持つこともあわせて指摘した。
第7章では、同社の外部に目を向け、免許制下において同社の経営に大きな影響を与えていた大蔵省証券局(以下、証券局)の公文書管理に着目し、証券局時代に蓄積された監督行政に係る公文書の性格や管理の実態と同社の保存した記録との関係性を考察した。証券局で作成した監督に関する記録の国立公文書館への移管状況や金融庁等での保存状況の調査を通じて、個別の証券会社に関する記録は、基本的には所定の保存期間経過後は廃棄措置をとっており、国側のアーカイブズとして残されないことを明らかにした。一方で、監督を受ける側にあった山一證券では、一定の残存資料を認めることができ、監督行政に係る記録を極力残そうとする姿勢が確認できた。個別の証券会社への監督行政の実態を把握するには、国立公文書館や金融庁に残された公文書へのアプローチでは不十分であり、同社の内部で蓄積した監督行政機関との間で作成・取得した記録にもアプローチしていくことが有効であると考える。規制・監督を受ける企業においては、行政機関から個別に受領した公文書に加え、企業自身が作成した行政機関とのやりとりを示す私文書もその信頼性に限界がある点に留意する必要があるものの、ともに社会が共有すべきアーカイブズとして残される意義の大きさを改めて指摘した。
第8章では、これまでの考察を踏まえ、山一證券が取得、作成した記録へのアクセスのための記述について考察した。すなわち、同社を出所とする「山一證券資料」をはじめとするさまざまな所蔵機関が管理する資料や未確認の記録を含む記録群の総体を概念的に「山一證券アーカイブズ」として捉え直し、基本となるISAD(G)によるフォンドレベルの記述の検討に加えて、機能と記録との関係に注目したISDFやシリーズシステムの考え方も参考としながら、現実的な適用に必要な見直しを踏まえて、同社の業務の機能に注目した編成により、同社の内部で蓄積された記録の構造の表現を試みた。さらに、山一證券や同社と関わりの深い関係機関に関する情報記述については、ISAAR(CPF)による記述を補うことで「山一證券アーカイブズ」の全容を捉えることが可能となる点も指摘した。
 終章では、本研究の総括と今後の展望を示した。本研究は、戦後日本における企業のアーカイブズの構築のために必要となるアプローチについて、山一證券を事例に、企業一般にも適用可能な基礎的な方法論を模索するものであった。今後、本研究で示した方法論が他の企業において、どこまで適用可能であるか、企業アーカイブズの構築に向けた事例研究を継続・蓄積し、より一般化したものにしていく必要がある。さらに、デジタル社会における記録をどのように企業アーカイブズとして取り扱っていくか、アーカイブズについての記述の国際基準や行政文書の電子化の動向も見ながら考察していく必要があると考えている。
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
出版タイプ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(アーカイブズ学)
学位名
言語 en
学位名 Doctor of Philosophy in Archival Science
item_10006_degree_grantor_42
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
item_10006_degree_grantor_49
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2024-09-30
dissertation_number
学位授与番号 32606甲第331号
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Ver.1 2024-12-04 05:56:42.611816
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