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アイテム
対内直接投資と日本企業の生産性 : 事業所別にみた間接効果の分析
http://hdl.handle.net/10959/0002002928
http://hdl.handle.net/10959/000200292839f43ef9-04cb-480c-8c87-7e3dbdf12f99
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||||
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公開日 | 2024-06-04 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 対内直接投資と日本企業の生産性 : 事業所別にみた間接効果の分析 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | タイナイ チョクセツ トウシ ト ニホン キギョウ ノ セイサンセイ ジギョウショ ベツ ニ ミタ カンセツ コウカ ノ ブンセキ | |||||||||||
言語 | ja-Kana | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||||
著者 |
渡邉, 翔
× 渡邉, 翔
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抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | 対内直接投資が被投資国経済に与える影響については、直接効果と間接効果に分けて、多くの分析・研究がなされてきた。直接効果は一致して正の効果が得られているが、間接効果の先行研究の結果は正と負の結果が混在しており、頑健なものとは言い難い。また、多くの先行研究で、外資企業の進出形態や属性、被投資国の産業や企業属性など、様々な要因によって間接効果は異なることが指摘されている。さらに、多くの先行研究が外資企業の本社レベルの参入情報を用いた分析しかなく、筆者の知る限り、事業所レベルでの参入の効果に関する実証分析はまだない。しかし、実際には、外資企業は様々な事業形態で参入しており、その形態によっても間接効果の程度は異なるかもしれない。本論文は、外資企業の事業所別(営業所、工場、研究所)の参入が、日本の国内企業の生産性に与える間接効果を検証した。対内直接投資が日本企業の生産性に与える影響を明確にし、日本の対内直接投資拡大に向けて、政策的含意を提示する。本論文は第1章から第6章で構成されており、第1章では、本論文の目的と背景を要約した。 第2章では、日本の対内直接投資に焦点を当て、対内直接投資政策の動向と対内直接投資の現状を整理した。また、外資企業進出の決定要因と阻害要因をまとめ、今後の対内直接投資拡大に向けた政策課題をまとめた。日本の投資先としての魅力は、「整備されたインフラ」、「大きな市場規模」があげられる。外資企業の多くが、日本を研究開発拠点に適した投資先であると認識しており、日本のポテンシャルは決して低くはない。一方で、日本は「英語での円滑なコミュニケーションを行えるグローバルな人材不足」や「ビジネスコストの高さ」といった課題も指摘されている。今後、これらの障壁を取り除き、対内直接投資を誘致することで、経済成長を促進することだろう。 第3章では、2000~2017年における外資企業の事業所別(営業所・工場, 研究所)の参入が、同期間における日本の上場製造企業の生産性に与える影響を、内生性を考慮したシステムGMMの手法を用いて分析した。分析の結果、産業内の間接効果は、外資企業の営業所・工場と研究所が国内企業と同一産業に参入することで国内企業の生産性が向上することが分かった。外資企業の営業所・工場、研究所が同一産業に参入してくることで、日本の上場製造企業は技術に関わる優れた知識やノウハウを吸収し、あるいは優れた人材を引き抜くことで、 生産性の向上に寄与していると考えられる。一方で、産業間の間接効果は、統計的に有意性が確認されなかった。産業間の間接効果には外資企業からの垂直的スピルオーバー効果があるものの、一方で、負の側面として国内企業から人材の移動、あるいは外資企業と国内企業における言語、文化や取引慣行などの違いから生じる市場での取引費用の増加の弊害がありうる。このような正と負の効果が相殺され、有意性が見られなかったものと考えられる。 第4章では、外資企業の事業所別の参入による産業内と産業間(後方連関効果と前方連関効果)の間接効果を国内企業との地理的近接性や国内企業の異質性を考慮して、事業所別に検証を行った。分析の結果、産業内と産業間の間接効果は国内企業との地理的近接にも左右されており、産業内の間接効果は外資企業が国内企業と地理的に近接しているほど、国内企業への生産性向上の効果が強く、一方で、産業間の間接効果は外資企業が国内企業と遠隔地に立地しているほど、国内企業への生産性向上の効果がみられた。また、産業間の間接効果は国内企業の海外売上高比率に強く依存しており、特に、外資企業の営業所・工場の参入に関する産業間の間接効果は国内企業の海外売上高比率が高いほど、生産性向上への効果が高かった。このように、外資企業の参入を通してみた対内FDIを促進させていくには、事業所別の参入形態、国内企業の海外経験の程度、国内企業からの地理的近接性の状況をみて判断していく必要があるだろう。 第5章は、外資企業の事業所別の参入が、同期間における日本の製造業、非製造業の上場企業の生産性に与える影響を分析した。分析の結果、製造業を対象とした場合、同一産業の外資企業の営業所・工場と下流産業の研究所から生産性向上の効果がみられた。一方で、非製造業を対象とした場合、上流産業の外資企業の営業所・工場から生産性向上の効果が見られた。また、これらの効果は製造業において、国内企業の海外売上高比率に強く依存しているが、非製造業は国内企業の海外売上高比率の影響は見られなかった。このことは、製造業は、物理的な製品の生産に重点を置いているため、異なる産業間での知識や技術の移転が重要となることが多く、この場合、海外経験の豊富な企業ほど、外資企業からノウハウや技術を獲得し、生産性が向上しやすくなるのではないかと考えられる一方で、非製造業では、各産業が異なるサービスや製品を提供しており、業界間での共通性が少ない場合が多いため、海外経験の有無の影響が発現しにくくなっていると予想される。このように、外資企業の参入によって国内企業の生産性に与える間接効果は、国内企業の産業によっても異なることが示唆される。 第6章では、本論文を総括するとともに、含意と貢献、今後の課題を提示する。日本の対内直接投資を拡大させていくためには、取引関係や産業ごとに異なる要因を考慮して政策戦略の検討が必要である。また、対内直接投資の効果を発揮させるには、国内企業の海外進出を促すような政策的支援やグローバルな語学力やスキルを持つ人材の拡充も合わせて必要であると指摘する。さらに、今まで実施されてきた対内直接投資政策を正しく評価することが重要である。今後、どのような政策が最適か、政策を評価し、より効果的な政策を実施することが望まれる。 |
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フォーマット | ||||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||||
内容記述 | application/pdf | |||||||||||
著者版フラグ | ||||||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||||||
学位名 | ||||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
学位名 | 博士(経済学) | |||||||||||
学位名(英) | ||||||||||||
言語 | en | |||||||||||
学位名 | Doctor of Philosophy in Economic | |||||||||||
学位授与機関 | ||||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
学位授与機関名 | 学習院大学 | |||||||||||
学位授与機関(英) | ||||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
学位授与機関名 | Gakushuin University | |||||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||||
学位授与年月日 | 2024-03-31 | |||||||||||
学位授与番号 | ||||||||||||
学位授与番号 | 32606甲第323号 |