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アイテム
新興国のクロスボーダー取引における通貨の選択 : 人民元国際化への合意
http://hdl.handle.net/10959/0002002927
http://hdl.handle.net/10959/0002002927fd40d1f6-9433-452d-bf31-3653698bba63
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||||
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公開日 | 2024-06-04 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 新興国のクロスボーダー取引における通貨の選択 : 人民元国際化への合意 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | シンコウコク ノ クロスボーダー トリヒキ ニオケル ツウカ ノ センタク ジンミンゲン コクサイカ エノ ゴウイ | |||||||||||
言語 | ja-Kana | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||||
著者 |
棚瀬, 順哉
× 棚瀬, 順哉
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抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | 21世紀入り後、中国の世界経済・貿易におけるプレゼンスは大きく高まり、現在中国は、名目GDPで見た経済規模では世界第2位、貿易シェアでは世界の最大の地位を占めるに至っている。こうした中、中国の通貨である人民元の世界の為替取引におけるシェアは増加傾向にあるが、依然として世界経済・貿易における中国のプレゼンスの大きさに比べると小規模にとどまっている(BISのデータによると、2022年4月時点で人民元のシェアは米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドに次いで第5位)。この背景には、中国とのクロスボーダーの資本取引にさまざまな規制が存在するため、資本取引絡みの人民元取引が相対的に小規模にとどまっていることや(通常、資本取引関連の為替取引の規模は貿易など経常取引関連の為替取引と比べてはるかに大きい)、人民元の取引自体にも規制が存在するため、決済通貨(インボイス通貨)として選択されづらいことがあると考えられる。 人民元がクロスボーダー取引のインボイス通貨として選択されない背景には、上述した取引規制に起因する使い勝手の悪さのほかに、所謂「三角貿易」の問題があると考えられる。21世紀初頭の中国は、輸入した中間財を国内の安価な労働力を利用して組み立て、製品の最終需要地である第三国に輸出する「世界の工場」として急成長を遂げた。三角貿易の最終需要地は先進国である場合が多いが、たとえば中国がタイから輸入した部品を組み立てて米国に輸出する場合、この製品の最終需要者である米国企業は中国との取引を人民元ではなく米ドルで行うことを望むと考えられる。 もっとも近年では、中国が製品の最終需要地となるケースが増加している模様である。加えて、西側諸国が経済制裁の一環としてロシアを国際的な金融メッセージング・サービスであるSWIFTのネットワークから排除したこと等を受けて、一部の国ではクロスボーダー取引の決済を米ドルに依存することのリスクに対する懸念が強まっている模様である。 世界の貿易・資本取引において米ドルが支配的な地位を占めていることはよく知られている。この大きな理由の一つはネットワーク外部性に起因する米ドルの取引コストの低さであると考えられるが、地政学的・政治的リスクに起因する潜在的なコストが経済的なコストの低さを相殺してあまりあるほど大きくなっているなかで、いくつかの国ではクロスボーダー取引における米ドルへの依存度を低下させるインセンティブが高まっている可能性がある。こうした状況下で、中国との経済的結びつきが強い国では、対中国のクロスボーダー取引で人民元を使用するケースが増加する可能性がある(実際、ロシアでは欧米による経済制裁の後、対中国貿易における人民元決済のシェアが大きく上昇した)。 本論文では、2種類の通貨の選択-「インボイス通貨の選択」と「アンカー通貨の選択」-について、主に人民元との関連で検討する。 「インボイス通貨の選択」は主として企業レベルのアクションであり、その総体として一国の貿易におけるインボイス通貨の構成(ある国の輸出の7割が米ドル建て、など)が決まる。他方、完全変動相場制以外の為替相場制度を採用している国ではどの通貨に対して自国通貨の為替レートを安定させるかという「アンカー通貨」の選択が行われるが、これは為替相場制度と密接に結びついた、国レベルのアクションである。 本論文は、こうしたことを踏まえた上で、「世界経済・貿易における中国のプレゼンスの高まりは、インボイス通貨・アンカー通貨として人民元が選択されるケースの増加につながるのか」、「今後人民元がインボイス通貨・アンカー通貨として選択されるケースが増加するとすれば、何がその条件となるのか」、「インボイス通貨・アンカー通貨としての人民元の選択は、人民元の国際化・基軸通貨化にどのような影響を及ぼし得るか」といった問いに対して回答を試みるものである。 本論文の構成は以下の通りである。第1章では、中国経済と人民元を取り巻く状況について概観し、インボイス通貨、アンカー通貨の選択に関する先行研究のレビューを行った上で、本論文の問題意識を明らかにする。第2章では、貿易の相手国別・通貨別データが利用可能なタイのデータを用いて、新興国間貿易におけるインボイス通貨の決定要因について分析する。第3章では、人民元をアンカー通貨とする「人民元経済圏」を特定する。アンカー通貨が不明な国については、Frankel-Wei(1994)の手法を用いてアンカー通貨を推定する。また、推定結果の人民元国際化・基軸通貨化への含意について検討する。第4章では全体を要約した上で今後の研究課題について述べる。 |
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フォーマット | ||||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||||
内容記述 | application/pdf | |||||||||||
著者版フラグ | ||||||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||||||
学位名 | ||||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
学位名 | 博士(経済学) | |||||||||||
学位名(英) | ||||||||||||
言語 | en | |||||||||||
学位名 | Doctor of Philosophy in Economic | |||||||||||
学位授与機関 | ||||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
学位授与機関名 | 学習院大学 | |||||||||||
学位授与機関(英) | ||||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
学位授与機関名 | Gakushuin University | |||||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||||
学位授与年月日 | 2024-03-31 | |||||||||||
学位授与番号 | ||||||||||||
学位授与番号 | 32606甲第322号 |