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  1. 学習院大学
  2. 学位論文
  3. 博士(教育学)
  4. 2023年度

アジアにおける授業研究(レッスンスタディ)の研究 : 香港とインドネシアの協議会談話を比較して

http://hdl.handle.net/10959/0002002909
http://hdl.handle.net/10959/0002002909
2088a1d7-bae1-4546-bf29-08d5f9350d52
名前 / ファイル ライセンス アクション
abstract_K321.pdf abstract_K321.pdf
ref_abstract_K321.pdf ref_abstract_K321.pdf
summary_K321.pdf summary_K321.pdf (642 KB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2024-05-21
タイトル
タイトル アジアにおける授業研究(レッスンスタディ)の研究 : 香港とインドネシアの協議会談話を比較して
言語 ja
タイトル
タイトル アジア ニオケル ジュギョウ ケンキュウ レッスン スタディ ノ ケンキュウ ホンコン ト インドネシア ノ キョウギカイ ダンワ オ ヒカク シテ
言語 ja-Kana
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_db06
資源タイプ doctoral thesis
アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
著者 滝本, 葉子

× 滝本, 葉子

WEKO 47868

ja 滝本, 葉子

ja-Kana タキモト, ヨウコ

en Takimoto, Yoko

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 本研究は,アジアにおける授業研究の様相,中でも,香港とインドネシアの中等学校校内研修での授業研究の協議会の談話内容の比較検討を行い,各国の授業研究の様相とその様相に公教育制度が及ぼす要因を検討することによって,アジアの教師の授業力量の形成に関係する要因を解明することを目的とするものである。全Ⅳ部10章から構成される。
第I部では,アジアで急速に拡がっている授業研究に関しての横断的な研究,教師を取り巻く社会的制度的背景との関係性を検討する視座と教師の省察場面を通した学習の実証研究が必要であることを示した。先行研究を概括した結果,授業研究の協議会における言語の相互作用,省察的な思考様式を教師の学習の中核と捉えた。そして省察を通して学び続けることで教師は専門性を高め合い,一人一人が学び合う共同体が創生される。その結果個人の信念の変容が生じるという理論的枠組みを確認した。他方,アジアの10か国を対象として教師を取り巻く概況について先行研究を概括したところ,アジアの教師たちは,ハイステイクスな国家試験やNPM(新公共マネジメント)の評価体制の影響を強く受けつつ,暗記中心型教育から学習者中心型教育へ移行するカリキュラム改革のもと,専門性の向上を図っていることが分かった。授業研究は教師の実践知を高める研修として期待が寄せられている。しかしながら,これまでの研究ではアジアの教師の省察時の学習過程の研究,省察時の対話における学習の促進要因と阻害要因の解明,信念の変容を伴う学習の検討,の点が明らかになっていないことが把握された。そこで本研究では(1)協議会で教師たちはどのように授業を省察し学習しているのか,(2)どのような対話構造をもつのか,協議会で教師の学習を生成/限定的にする要素にはどのようなものがあるのか,(3)授業研究は教師の信念の変容をもたらしたのか,授業研究のどのような要素が変容をもたらすのか,変容に到らない場合の理由は何か,の3点の問いを設定した。
対象国は(1)国家プロジェクト(援助機関)による導入からミクロに拡がり継続している国,及び国家プロジェクト(自国政府)による導入からミクロに拡がり継続している国,から1か国ずつ,(2)中等教育での授業研究が多い国,(3)10年以上の実践を有する国,(4)国内で学会・研究所を設立した国,の4つの選定基準より,香港とインドネシアとした。フィールドワークでの聞き取り調査及び観察記述を実施し,自律的かつ継続的に実施されている複数の異種の中等学校への調査を行うことを検討した。方法としては,比較分析,質的データ分析法,談話分析,ライフストーリー研究,解釈的アプローチのマルチメソッドによる事例研究を採用した。
第Ⅱ部では,両国の教育の諸相の概観と授業分析を行った。先行研究からは,近年の新自由主義の原理を導入した教育改革と学校評価,業績指標の制度が,特に香港において競争を促し,教師への圧力を増大させていること,香港の子どもたちの学力は世界でもトップクラスにある一方,英語指導言語による教育を求めて競争が若年化・激化していること,インドネシアの中学教育の普及は未だ道半ばであり,低学力層の子どもが非常に多く教師の質も限定的であること,2000年代以降の教員改革及び教育の質向上の制度は形式的な実施に留まっていることが導出された。両国とも学習者中心主義に移行している一方で,統一試験は知識の有無を測るものであり,教育内容と教育評価間が乖離していることが把握された。また,両国各3校の授業の発話を分析した結果,教師の発話が多い一方で,子どもの発話は少ないこと,教師の問う内容は子どもに定型的な回答を求めるものが多いこと,授業パターンには,講義中心的な授業からの脱却が見られるものの,手続き的な解答を問いており効率的に学習する方略が取られている側面があることを把握した。そのため,学習者中心主義への国の志向と授業の実態が必ずしも一致しておらず,21世紀型教育へのイノベーションは道半ばであることが明らかになった。
第Ⅲ部では,本研究の問いに沿って検討し,比較検討した。(1)省察・学習過程について,香港では授業内容の手続き的な事象について述べることが多い一方,インドネシアでは個別具体的に子どもの状況を観察し言語化していること,香港では教室内の子どもの一般的な理解度から代替的な自己調整学習の教材を学習している一方,インドネシアでは子どものつまずきから学習過程を推論し教授的方略を学習していることが把握された。これらのことから,香港では子どもが自律的に学習することを促す自主調整学習の有効性を追究するために問題設定し,公平性を保てる共通教材の開発や方法の定型化によって問題解決を図っている様相であること,インドネシアでは,協同活動の意義を理解し子どもの非認知能力を育成する支援を探究しているものの,各教師には各事象間の実践知が必要であることが示唆された。
問い2の対話構造の検討では,香港では,授業者または教務主任を軸として対話が展開され,協調性を重んじた表現(弱いモダリティや一人称・三人称による関わり)による良好な関係の維持を図ろうとする相互作用がみられた。しかしそれらは本質的な課題の探究の可能性を低減している可能性があることが示唆された。また,教科主任が足場架けを行い子どもの学習過程を探究させているが,対立的な議論を閉鎖することで実践的な学びの機会を喪失している可能性が示唆された。一方,頻繁に観察された授業者による抵抗は,授業を自分史の一局面と捉える成長の瞬間だった可能性を秘めている。
インドネシアには,問いを深く掘り下げる司会者を軸とした協働的な対話を生成する構造と,形式的でありつつもあるきっかけから協働的な学習を加速させる動的な構造があることが分かった。これらの二か国の様相を受け,教師の学びを促進する要因として,オープンな議論を呼ぶファシリテーション,授業からの脱文脈化した話題,授業者による思いの吐露,二人称による語りかけの4点が挙げられた。インドネシアの授業研究からは,近隣校の教師が参加することに意義があることも示唆された。一方,学びを限定的にする要素としては,司会者の主義主張や対立の回避による及び形式的な進行が見出された。これらのことから,伝統的文化様式にとらわれない,平等でオープンな対話的な学びの空間を保障することが,教師の学びを深めるために必要な相互作用に関する示唆であると考えられた。
問い3については,香港では1名の教師が自身の考えを変容させたこと,インドネシアの3名の教師にとっては授業研究は変容の契機となった,あるいは新たな信念を支える土壌となっていたことが把握された。特に行動の指針,官僚的統制が根強く残るインドネシアにおいては,困難な中にあっても意欲的に学習する子どもに報いるため,教師は教える意味を問い直し,子ども一人ひとりの学ぶ権利を保障しなければならないという新たな信念に到達していた。インドネシアの授業研究は先行研究で指摘されている形式的な研修に留まらず,教師の信念を再構成し,教師の実践的研究のサイクルになる可能性があることが明らかとなった。授業研究のもつ特性のうち,香港では代替的な教育方法を知る特性が,インドネシアでは子どもの学びを保障する特性が,重く捉えられていることが分かった。また,変容しない理由としては,既に構成主義的な信念で教育に臨んでいることから変容の必要性が感じられていないこと,特に学習意欲の高い教師は日常的な批判的省察の連続性により変革してきたことが考えられる。一方,生徒の好ましい試験結果により既有の信念を強化させている事例も確認された。
香港とインドネシアそれぞれの授業研究の様相を総括する。香港では被植民地時代の負の遺産として学校社会に深く根強いている試験至上主義,格差と序列化,教育(業績)を評価し市場に価値判断を求める新自由主義的思想の下,協力校では(1)授業改革のため学校主導でコレクティブ・アプローチによる授業研究が組み込まれており,(2)新たな学習方法を模索し一つの指導案を作成する点で,有効性のための問題の枠組み設定と,公平性をもたらすための問題解決,両側面から授業研究が行われている。(3)協議会対話では一人称や三人称と弱いモダリティの使用により良好な人間関係の模索が図られている一方,(4)授業者の授業へのオーサーシップ(著者性)が出現し,画一的なアプローチに反発する教師の成長が現れ始めている。授業は変わりつつあるが,教師の信念と子どもの学びの変容は道半ばであると思われる。
インドネシアの様相は,政府による形式的な教師の質改善が図られてきており,校長や政策の変更により授業研究の持続性を危うくする強固な官僚的行動特性が残る。しかし子どもの学ぶ権利を保障するためにそれらの障壁を越境し,探究し合う自律的教師コミュニティが存在する。そのため信念は変わりつつあるが,授業と子どもの学びの変容は道半ばである。
第IV部では,本研究による比較教育研究と教師研究への理論的意義として,省察時の発話内容及び対話構造から教師の学習を比較したことにより教師の学びを促す校内研修の実践化のための方略を導き出したこと,アジアの文脈においては技術合理性に対し新たな視座が必要であること,方法論として談話分析の手法を用いたことにより重要な示唆を見出したことが指摘できる。本研究の限界として,更に多くの事例研究,協議会で見出される非言語の意味に関する検討,教師の日常的な実践知の検討,教師個人の実践化や信念変容の要因の検討の必要性が挙げられた。今後の課題としては,授業のみではない授業研究,例えば新しいコンピテンシーや価値観をどのように学校ベース・カリキュラムに組み込むかの検討や,個性ある学校を見出すための地域を含めた協議等,新しい形での授業研究の可能性を追究することが挙げられた。
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
出版タイプ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
学位名
言語 ja
学位名 博士(教育学)
学位名
言語 en
学位名 Doctor of Education
item_10006_degree_grantor_42
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 ja
学位授与機関名 学習院大学
item_10006_degree_grantor_49
学位授与機関識別子Scheme kakenhi
学位授与機関識別子 32606
言語 en
学位授与機関名 Gakushuin University
学位授与年月日
学位授与年月日 2024-03-01
dissertation_number
学位授与番号 32606甲第321号
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Ver.1 2024-05-23 03:24:26.520190
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