WEKO3
アイテム
増殖能を保持したプラナリア多能性幹細胞の新たなFACSを用いた精製法の確立
http://hdl.handle.net/10959/0002002908
http://hdl.handle.net/10959/00020029087db1adbb-1b6f-42ca-b275-d5aeb504345f
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||||
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公開日 | 2024-05-21 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 増殖能を保持したプラナリア多能性幹細胞の新たなFACSを用いた精製法の確立 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | ゾウショクノウ オ ホジ シタ プラナリア タノウセイ カンサイボウ ノ アラタナ FACS オ モチイタ セイセイホウ ノ カクリツ | |||||||||||
言語 | ja-Kana | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Establishment of a new method to isolate viable X ray sensitive cells from planarian by fluorescence activated cell sorting | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||||
著者 |
石田, 美雪
× 石田, 美雪
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抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | プラナリアは、非常に高い再生能力を持つ。これは、全身に多能性幹細胞が存在するためである。プラナリアの細胞は、多能性幹細胞のみが増殖することができ、一度分化してしまうと分裂することができない。さらに、プラナリア多能性幹細胞は、X線照射によって特異的に消滅するX線感受性細胞である。プラナリア多能性幹細胞に焦点を当てた研究は長年行われていたが、多能性幹細胞を精製する方法は遠心分離やフィルターによるろ過にもとづいていたため、死細胞や消化液によるダメージがあり細胞培養や分子解析に適した細胞を得ることができなかった。2006年、林らがFACS(セルソーター)による多能性幹細胞の精製方法を開発したことにより、プラナリア多能性幹細胞の分子レベル、細胞レベルでの研究が飛躍的に進んだ。この方法では、プラナリア多能性幹細胞が盛んに増殖しているためにDNA量が多く、未分化な細胞のため細胞質が少ないという特徴を利用している。核をHoechst 33342、細胞質をCalcein AMにより蛍光染色し、X線未照射個体とX線照射個体のFACSプロファイルを比較することにより、X線感受性細胞の分画を特定した(Hayashi et al., 2006)。特にDNA量が多いX線感受性分画は、X1フラクションと命名された。その後、UVレーザーを使わずに精製できる方法として、DRAQ5による核染色を利用した方法が開発された(Peiris et al., 2016)。FACSを用いてプラナリア多能性幹細胞を精製できるようになったが、精製後の多能性幹細胞を培養して増殖させることは未だ成功例はない。本研究で使用しているプラナリアDugesia japonicaでは、X線を照射して多能性幹細胞を特異的に消去した個体に精製した多能性幹細胞を移植しても、移植された多能性幹細胞の増殖は確認されていない。この原因として、細胞の染色方法が挙げられる。プラナリア多能性幹細胞はDNA量を指標にしてFACSにより精製されていたため、DNAをHoechst 33342で飽和状態にすることが必要だった。そのため、一般的な染色方法よりも高濃度で長時間染色する必要があった。そこで、本研究では染色濃度と時間、染色色素の種類を検討し、より毒性の低い多能性幹細胞の精製を試みた。 まず、染色色素の毒性を評価した。ここでは、細胞増殖への影響を比較することで毒性の評価を行った。精製したプラナリア多能性幹細胞を培養して増殖させることができていないので、前駆細胞のモデルとしてラット副腎褐色細胞腫由来のPC12と、多能性幹細胞のモデルとしてマウスES細胞であるEB5を使用した。従来の染色方法である、核をHoechst 33342(32 µM)およびDRAQ5(5 µM)、細胞質をCalcein AM(0.5 µg/mlおよび0.4 µg/ml)でPC12とEB5を染色した結果、増殖率が低くなり毒性が高いことがわかった。細胞質の蛍光色素であるCalcein AMの単染色をした細胞は、無染色の細胞と同様に増殖したことから、毒性が低いことが示唆された。一方で核の染色色素については、従来の染色濃度より低い濃度を使用しても、また、毒性が低いとされているDyeCycleという染色色素を使用しても毒性があることが判明した(PC12とEB5のどちらに対してもHoechst 33342が最も毒性が低く、次いでDyeCycle、DRAQ5の順に毒性が低かった)。ただ、最も毒性の低かったHoechst 33342の濃度を低くしたところ、多能性幹細胞であるEB5は低濃度のHoechst 33342による核染色が細胞の増殖に全く影響しなかった。この結果から、プラナリア多能性幹細胞を精製する染色方法として、低濃度のHoechst 33342単染色あるいはCalcein AM単染色が候補に挙がった。 低濃度(1, 3, 5, 10 µM)のHoechst 33342でプラナリアの細胞を染色し、FACSのプロファイルを確認したところ、従来のプロファイルとは異なり、Hoechst 33342の強度が強いところにX線感受性細胞は見当たらず、逆にHoechst 33342強度が低く細胞の大きさが大きい分画にX線感受性細胞が濃縮されていることがわかった(幹細胞は色素をポンピング作用で吐き出す活性が高いことが知られている)。これらのX線感受性分画の細胞を集め、従来のHoechst 33342/Calcein AM染色を行うことで、低濃度のHoechst 33342染色法を用いて得られたX線感受性細胞の分画に含まれる細胞が、従来のX1フラクションに分画される割合を調べた。その結果、各濃度で約80~90%のX1フラクション細胞を含むことが分かった。そこで、一番濃度の低い1 µMHoechst 33342染色が精製に適していると考え採用した。 また、Calcein AM単独でプラナリア細胞を染色し、FACSのプロファイルを確認した。プラナリア多能性幹細胞は、X線を照射すると消失し、細胞質が少ないという特徴があるため、X線で消失するCalcein AMの強度が低い分画を選んだ。さらに細胞の大きさが小さい分 画(XS)と大きい分画(XL)に分けてそれぞれの細胞を集めた。その後、従来のHoechst 33342/Calcein AM染色を行って再度分画し、X1フラクションに分画される細胞の割合を確認した。その結果、XLフラクションには約90%のX1フラクション細胞が含まれていることがわかった。 これまでの結果から、1 µMHoechst 33342単染色と細胞の大きさ、あるいはCalcein AM単染色と細胞の大きさを指標に精製したX線感受性分画には同程度のX1フラクション細胞が含まれていたことが確認できた。二つの染色方法のうちどちらがviableな多能性幹細胞の精製に適しているかについて評価するため、幹細胞マーカーであるPIWI A抗体による免疫染色を行った。こちらの結果についても1 µMHoechst 33342染色とCalcein AM染色により精製したX線感受性分画には、約90%のPIWI A陽性細胞が含まれていた。 次に、各染色方法により精製したX線感受性細胞を培養し、生存率を評価した。その結果、培養から2日後までCalcein AM染色により精製したX線感受性細胞の生存率が有意に高いことがわかった。以上のことから、Calcein AM染色の方がviableなX線感受性細胞の精製に適していると結論付けた。 Calcein AM染色によって精製したX線感受性細胞の増殖能を確認するため、X線照射個体に移植した。X線照射個体にX線感受性細胞をインジェクションしてから2週間後に幹細胞マーカーであるPIWI A抗体とM期マーカーであるpH3抗体による免疫染色を行った。その結果、インジェクションした尾側の領域でPIWI A陽性細胞とpH3陽性細胞が移植後2週間で約3mmの範囲で広がっている様子が観察されたことから、精製したX線感受性細胞は増殖能を保持していることがわかった。 本研究により、Calcein AM単染色による毒性の低いX線感受性細胞の精製方法が確立された。さらに、D. japonicaでは初めてFACSで精製したX線感受性細胞をin vivoで増殖させることに成功し、移植後の多能性幹細胞の挙動についても観察することができた。 |
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フォーマット | ||||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||||
内容記述 | application/pdf | |||||||||||
著者版フラグ | ||||||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||||||
学位名 | ||||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||||||||
学位名(英) | ||||||||||||
言語 | en | |||||||||||
学位名 | Doctor of Science | |||||||||||
学位授与機関 | ||||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||||||||
言語 | ja | |||||||||||
学位授与機関名 | 学習院大学 | |||||||||||
学位授与機関(英) | ||||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||||
学位授与機関識別子 | 32606 | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
学位授与機関名 | Gakushuin University | |||||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||||
学位授与年月日 | 2024-03-01 | |||||||||||
学位授与番号 | ||||||||||||
学位授与番号 | 32606甲第320号 |