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          <dc:title>アルツハイマー病予防のための嗅内野タウ病理に着目した生物学的研究</dc:title>
          <dc:title>アルツハイマービョウ　ヨボウ　ノ　タメノ　キュウナイヤ　タウ　ビョウリ　ニ　チャクモク　シタ　セイブツガクテキ　ケンキュウ</dc:title>
          <dc:title>Biological study on tau pathology in the entorhinal cortex toward Alzheimer's disease prevention</dc:title>
          <dc:creator>小池, 力</dc:creator>
          <dc:creator>コイケ, リキ</dc:creator>
          <dc:creator>Koike, Riki</dc:creator>
          <dc:description>学習院大学</dc:description>
          <dc:description>Gakushuin University</dc:description>
          <dc:description>博士（理学）</dc:description>
          <dc:description>Doctor of Science</dc:description>
          <dc:description>患者のquality of lifeを著しく低下させる認知症の患者数は、超高齢化社会の訪れとともに増加の一途を辿り、これは喫緊の社会課題の1つである。認知症患者のおよそ7割を占めるアルツハイマー病患者の脳内では、過剰にリン酸化されたタウタンパク質の凝集体が存在することが知られている。タウ病理は、嗅内野と呼ばれる脳領域で最初期に出現した後、Braakステージと呼ばれる典型的な様式に従い進行し、その進行は認知機能の低下とよく相関する。そのため、初期段階でのタウ病理進行の抑制が認知症発症を抑制すると考えられる。しかし、最初期の嗅内野のタウ病理で特徴づけられる“嗅内野ステージ”では、①明確な認知機能低下を示さないため、患者のスクリーニングができず、②それゆえ有効な治療法も確立されていないという問題がある。本研究では、これらの問題を解決するため、マウスモデルを用いて、嗅内野のタウ病理存在下における行動学的異常および機能的な脳ネットワーク異常を探索し、アルツハイマー病の超早期病態への新規介入戦略の可能性を示すことを目的とした。&#13;
第二章では、嗅内野のタウ病理を反映する行動学的変化を探索するため、嗅内野に特異的に存在するグリッド細胞が、経路統合という空間ナビゲーション機能に寄与することに着目した。経路統合能とは、出発点と現在地点間の相対位置を認識する能力である。マウスモデルで経路統合能を測定するタスクとしてL字迷路試験を検討し、化学遺伝学的な嗅内野の神経活動の抑制によりそのスコアが低下したことから、本試験の嗅内野依存性が確認された。さらに、嗅内野に顕著なリン酸化タウの蓄積を示す6ヶ月齢のPS19マウスモデルにおいて、野生型よりもL字迷路試験のスコアが低下したことから、嗅内野へのリン酸化タウの蓄積と経路統合障害の関連が示された。以上の結果は、タウ病理による嗅内野の機能低下を反映するバイオマーカーとして、経路統合能測定が有用であることを支持する。&#13;
さらに、第三章では、嗅内野のタウ病理によって引き起こされる脳ネットワーク変化を明らかにするため、空間探索タスクにおける嗅内野を含むナビゲーション関連ネットワークの変化を探索した。脳ネットワークは、多数の脳領域クラスターによる協調活動や、それらのバランスにより機能的に調節されている。そこで、神経活動を反映する分子マーカー（c-Fosタンパク質）を用いて、嗅内野のリン酸化タウ蓄積を示す6ヶ月齢のPS19マウスと、その対照群である野生型マウスにおける機能的ネットワークを解析した。野生型マウスでは、空間探索により、ナビゲーション関連領域におけるc-Fos陽性細胞数の有意な増加と、機能的結合性強度の有意な増加が観察された。また、タスク下の機能的ネットワークに対するグラフ理論解析および因子分析において、c-Fos発現パターンでクラスタリングされた3つの脳のモジュール構造が同定された。1つ目は、前頭－体性感覚運動皮質および海馬前部から構成され、空間探索における環境馴化と関連した。2つ目は脳梁膨大後部－感覚情報処理皮質および傍海馬領域、視床前部から構成された。3つ目は、報酬系や扁桃体、海馬後部を含む辺縁系で構成され、空間探索における情動指標と関連した。&#13;
一方で、PS19での変化は病理の中核であった嗅内野に留まらず、タスク時のc-Fos陽性細胞数は脳全体で野生型の70%程度に低下した。また、タスク時の機能的結合性強度は、嗅内野を含む傍海馬領域に加え、脳梁膨大後部皮質, 新皮質, 皮質下領域で野生型に対して有意に減少し、ホームケージ下では脳梁膨大後部皮質の結合性強度が野生型よりも有意に増加していた。脳梁膨大後部皮質は嗅内野からの情報を新皮質・皮質下領域に接続するハブ領域であることから、タウ病理下での嗅内野の機能低下は、このような脳梁膨大後部皮質での異常な結合性変化を引き起こし、さらに脳全体の結合性強度に影響したと考えられる。&#13;
さらに、タスク下のPS19では、野生型で観察された認知機能と関連するモジュール構造が消失しており、in silicoでの脳梁膨大後部皮質を含む頭頂－後頭部の正常化で、部分的にその構造が回復した。そのため、頭頂－後頭部のネットワークの正常化は認知症予防に効果を示す可能性がある。一方、動機付けに関連する領域は、PS19における行動変化との関連が示され、脳に本来備わる機能的な代償機構の存在が示唆された。</dc:description>
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          <dc:description>doctoral thesis</dc:description>
          <dc:date>2025-03-31</dc:date>
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          <dc:identifier>32606甲第339号</dc:identifier>
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