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          <dc:title xml:lang="ja">天明・寛政期における黄表紙の表象研究</dc:title>
          <dc:title xml:lang="ja-Kana">テンメイ　カンセイキ　ニオケル　キビョウシ　ノ　ヒョウショウ　ケンキュウ</dc:title>
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          <datacite:description descriptionType="Abstract">本論文は、三章八節の構成で、天明期から寛政期にかけて人気を誇った山東京伝の作品を中心に、黄表紙の挿絵やそこに描かれた表象について読み解く。黄表紙の題材やその影響関係を探ることで、戯作のあり方について考察する。
第一章「『心学早染草』論」では、京伝のヒット作である『心学早染草』を取り上げ、本作に描かれた善玉悪玉について論じた。主人公の善悪の心を擬人化した善玉悪玉は、丸い顔に「善」「悪」の文字を配し、上半身裸の褌姿という特徴的な姿で描かれている。第一節では、善玉悪玉に影響を受けて描かれた作品を、「おかしみ、教訓、擬人化」という三つの視点から捉え、その魅力と性質を論じた。
第二節では、善玉悪玉の図像の先蹤を探るため、『心学早染草』刊行以前の草双紙から魂の図像の変遷過程を考察した。善玉悪玉の図像は、歌舞伎の演出と『心学早染草』の前年に刊行された京伝作画の『延寿反魂談』の魂の意味が重要であると結論付けた。
第三節では、京伝の生み出した善玉悪玉の図像が与えた影響について論じた。善玉悪玉に影響を受けて描かれた、寛政期から明治期までの戯作や浮世絵、歌舞伎などの作品を収集し、時期やジャンルごとにその特徴を考察した。また、図像の用いられ方には、その時々の社会情勢や出版統制などが反映されており、その特徴や変化を明らかにすることができた。
第四節では、『心学早染草』が出された寛政二年という年に焦点を当て、この年に起きた出来事を概観した。
第二章「竜宮の描写をめぐって」では、黄表紙によく登場する竜宮という舞台を切り口にして、竜宮の描かれ方について論じた。竜宮は海底の理想郷というイメージを持つが、これは浦島説話によって形成された一般的なイメージと言える。第一節では、中国や中世から近世に至るまでの様々な竜宮訪問譚を取り上げ、竜宮城の場所、もしくはその入り口となる場所がどこにあるかという視点で考察した。その結果、近世以前と近世では、措定される場所に違いがあることが明らかになった。
第二節では、竜宮の所在について黄表紙の用例に絞って論じた。黄表紙でも先行する物語や伝承を引き継ぎ、琵琶湖、志度の浦、壇ノ浦、大物の浦のように地名が特定されている例が見られる。その一方で、具体的な地名を設定せず、竜宮を大海や海底にある想像の世界として描いた作品も多い。これは様々な昔話や伝説を綯い交ぜにした結果、特定の地名を設定することが困難となり、想像上の架空の地として描いていることが考えられる。さらに、中洲新地や江戸の掘り抜き井戸などの当時話題となっていた場所も、竜宮へ繫がる場所として作品に取り込んでおり、戯作者の発想の豊かさが明らかになった。
第三章「京伝周辺の人物」では、京伝の周辺人物に焦点を当て、黄表紙に描かれた例を中心に、作品の生み出された背景について論じた。第一節では、京伝の後援者となっていた松江藩主松平治郷（不昧）の弟である松平衍親（俳名雪川）、姫路藩主酒井忠以の弟忠因、松前藩主松前道広の弟百助という三人の大名の子息たちについて取り上げ、京伝との関わりを検討した。
　第二節では、天明期後半から寛政初年にかけて京伝門人として戯作を刊行していた、山東鶏告と山東唐洲の活動について論じた。彼らの作品から京伝との関係性が窺えた。
本論では、黄表紙に描かれた表象の分析を通じて、京伝を中心とした戯作者の発想の源を明らかにすることを目的とした。黄表紙の読み解きから、作品が生み出された背景や戯作者の人脈を読み取ることができた。また、文学だけでなく、美術や芸能などにも幅広く影響を与えていたことが明らかになった。ここに黄表紙の表象を研究することの重要性を提示しておきたい。</datacite:description>
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