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          <dc:title xml:lang="ja">大砲とバター : 産業間の相互依存関係と経済波及効果</dc:title>
          <dc:title xml:lang="ja-Kana">タイホウ ト　バター　サンギョウカン　ノ　ソウゴ　イゾン　カンケイ　ト　ケイザイ　ハキュウ　コウカ</dc:title>
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            <jpcoar:creatorName xml:lang="ja">上野, 絵里子</jpcoar:creatorName>
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          <datacite:description descriptionType="Abstract">本論文の目的は、戦争期の経済変動の法則性を分析し、軍備とそれ以外の経済活動とのトレードオフを論じた「大砲対バター Guns vs Butter 」について、一国の産業構造全体から検討を加えるものである。本論文の構成は2部からなる。イントロダクションにあたる第1章及び第2章では、戦争期の経済変動パターンないしは法則性について景気循環の分析手法を元に分析を行った。第2部にあたる第3章及び第4章では、第1章及び第2章での観察結果を踏まえながら、産業連関表を用いて一国の経済変動とその因果関係について産業構造面から分析を行った。本論文の背景にある問題は2つある。「大砲対バター」とは戦争や軍事支出が持つ機会費用や民間経済とのトレードオフを例えて論じたものである。「大砲対バター」の議論は大きく2つに分けることができる。1つ目は、国際レベルの分析であり、戦争や国防支出が各国家のパワーシフトに与える影響を分析したものである。2つ目は、国内レベルの分析であり、国防が国内社会、経済、政治に与える影響を分析したものである。国際レベルで戦争が国家経済にもたらす影響を分析した研究の多くは、戦争によって生産要素の人的・物的資本が破壊される国と、人的・物的資本が破壊されずに戦争を行える国とが同時に分析されてきた。このため、これらの戦争の経済効果についての結論は非常に曖昧なものとなってしまう傾向がある。一方、国内レベルでは、国防がどのような効果を持つのか議論した代表的なものに「軍産複合体」の議論がある。これらの議論は、国防支出の使い道についての分析が中心であり、戦争経済学の議論を除けば、戦争期の経済変動パターンがどうなっているのかは、あまり注目をされていない。そこには、戦争をすれば多大な国防支出を出費するはずであるという暗黙の認識が多くの場合横たわる。また、国内レベルでの戦争の経済効果を分析したものは、第二次世界大戦やベトナム戦争といった個別の事例のみの分析や、戦争とその後に訪れる戦後不況とを同時に分析する傾向がある。このため、戦争期の経済変動パターンにある種の法則性を見出すことはできなかった。これまでアメリカは、戦争を繰り返すたびに自分たちが不況から脱し、戦後に不況が訪れることを経験してきた。戦死者数でアメリカの戦争をみると、第二次世界大戦は全人口の0.31%であり、また、長期戦であったベトナム戦争ですら全人口比の0.03%であった。第二次世界大戦期の日本やベトナム戦争期のベトナムの戦死者数などと比較すれば、どこが戦場になるかによって戦争の衝撃が国ごとに異なることをこのデータは示唆している。このように、戦争によって生産要素である土地、資本や労働力が破壊を受ける国と受けない国にもたらす戦争の経済効果は、それぞれ別々に再考されても良いのではないかという疑問が背景にある。また　国内レベルで「大砲とバター」の関係を考える場合、特に政治学の世界では、常に「政府か、国民か」というように問題を二極化する傾向がある。このため、その分析対象は政府や政府を中心とした特定産業ばかりに焦点が当てられてきた。しかし、一国の経済活動は、「風が吹けば桶屋がもうかる」ではないが、一つの産業に需要が生じると、次々と連鎖反応をおこし、全く関係のない産業へもその効果は波及していくものである。この他産業への波及効果を無視して、軍事支出を決定する政策決定過程や軍事支出が初めに生じた産業やその周辺の限定された特定産業にのみ注目をすることは、本当に一国の経済活動を分析する上で正しい議論なのであろうか。本論文では上記の2つの問題に関して、具体的に次のような手順で分析を行った。先ず、第1章では、景気循環の分析手法にならい、長期時系列データを用いて戦争期と戦間期の経済変動の違いを、支出面、所得面及び生産面から比較し、各データの変動幅、変動のタイミング、変動の持続期間についてグラフを用いて分析を行った。失業率などのように「率」に変換されていない経済変数については、インフレ的影響を除去するため、前年比変化率を用いた。また、湾岸戦争は戦争期間が他の戦争に比べて短いため、92年のデータに加え四半期及び月別データを用いて分析を行った。これによって、長期時系列データの中での戦争期には共通の経済変動が存在することが観察された。主要な分析結果は1）戦争期には経済は拡大し、不況期は戦争終盤から始まる、2)戦争期の好況を支えるものは、軍事支出ではなく、個人消費および民間投資である、3）冷戦中の戦争と冷戦後の戦争には経済変動のパターンに違いが見られる。4)冷戦中の戦争は戦争に先立つこと2、3年前から経済は上昇を開始する。一方、冷戦後の戦争は、戦争開始を起点として経済の上昇が始まるなどである。これを受けて、続く第2章では、長期時系列データから戦争期のみをスライスし、経済成長に対する各変数の寄与度を用いて戦争期の変動規模、変動傾向の分析を行い、戦争期の経済的特徴をより詳細に分析した。主要な分析結果は1)多くの指標で、戦争のタイプは異なるにもかかわらず、経済変動は同じような変動パターンを示す。2）変動のタイミングは戦争のタイプによって異なる、3)政府支出は朝鮮戦争以外、全部の戦争で同じ変動パターンを示すなどである。続く第3章及び第4章では、これまで第1章や第2章で見られた経済変動の傾向について、アメリカの産業連関表を用いて産業構造の観点から分析を行うこととした。先ず、第3章では、アメリカの産業構造を簡単に概観し、分析の基礎となる産業分類や産業連関表の作成手順などについて述べた。アメリカの産業構造は1947年以来、ペティ―クラークの法則のとおり、第1次、第2次産業のシェアが減り、第3次産業のシェアが徐々に伸びてきた。しかし、これらの産業を民間産業として１つのくくりで見ると、1947年以来、そのシェアは86%を一貫して維持している。即ち、アメリカの経済構造は8割以上が民間の経済活動によるものであり、70年という時が流れてもこの規模に変化は生じていなかった。一方、時代とともにアメリカの第3次産業が伸びてきた背景には、第1次産業及び第2次産業の存在があるものと考える。なぜなら、経済活動は、原材料（第1次産業）があって初めて製品を製造することができ、製造品（第2次産業）があって初めて高付加価値のサービスを提供する第3次産業が存在できるからである。そこで、産業連関分析を行うにあたっては、製造業を中心に分析できるよう産業連関表を作成した。また、本論文の分析目的に合わせ、アメリカの「国防資本産業」について定義した。極力恣意性を排除するため、アメリカ合衆国センサス局が毎月作成している通称M3データ（製造業出荷、在庫及び受注データ）で使用されている財の分類に従い、本論文ではM3データの「国防資本財」を扱う産業を「国防資本産業」として定義し、産業×産業の33部門の産業連関表（以下33部門表と略す）を作成した。第4章では、この33部門表を用いて、国防資本産業の投入構造などを見た上で、最終需要が各産業へもたらす生産波及効果を分析した。まず、影響力係数及び感応度係数を用いた分析では産業間の相対的な関係を見た。次に、最終需要項目に基づく生産誘発額の分析では、国防支出をはじめとする最終需要によってどの産業がもっとも影響を受けるかを見た。続く、最終需要項目別生産誘発係数では、最終需要項目の生産誘発力を見た。また、最終需要項目別生産誘発依存度では、各産業がどの最終需要に依存しているのか、国防資本産業を中心に見た。最後に、今回作成した33部門表を用いて、アフガン・イラク戦争期の需要項目の変化が各産業に与える影響を試算した。以上の主要な分析結果は1）国防資本産業の他産業への影響力や他産業との関係は非常に小さい、しかし、国防資本産業に需要が生じると、全部の産業に需要が生じる、2）軍事支出は国防資本産業に全額生じているものではなく、軍事用消費支出、軍事用設備投資、軍事用建設投資及び軍事用知的財産投資などの支出項目によって需要構造は異なる。3）最終需要項目の中で産業への影響力が強い項目は民間投資及び政府支出である。中でも、設備投資および建設投資は産業への生産誘発力が高い。4）個人消費の生産誘発力はそれほど強いわけではない。しかし、個人消費支出にその生産誘発を依存している産業は多いなどであった。こうした結果は、第1章および第2章で漠然と見られた傾向を産業の生産活動の側面からも裏付ける結果となった。本論文での研究はアメリカを事例に行った。しかし、多くの国についても同様の分析が可能であり、その国際比較もまた可能である。長期時系列データや産業連関表を用いることにより、物事を全体の中で捉えることが可能になる。一部分だけを観察していては見過ごしてしまう事象も巨視的に観察すれば見える場合があるのである。</datacite:description>
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